創作

メタフィクションについて

広義のメタフィクションについて、つまり、メタ要素を作品に取り入れる長所と短所について考えてみたんだけれど、結局のところ、それはメタなレイヤー、つまり、作品外の要素を取り入れられる、というところに収束すると思った。 つまり、どういうことかとい…

稲垣理一郎とかいう天才

「Dr.STONE」、何故か21巻だけアマゾンで品切れていて、ずっと最新巻が読めていなかったのだが、この間、それが解消されたので一気に読んだが、面白かった。通常時も、なんだかんだ言って面白いのだが、大きな区切りがつく巻は、様々な伏線が一気に回収さ…

「忍者と極道」は確かに超一流

「忍者と極道」の展開が超一流だという話があり、たぶん、料理漫画か何かのコマで『超一流とは客が予想だにしていないものを持ってくる。しかし、それを食した瞬間、求めていたものはこれだ、どうして、これが思いつかなかったのか、と思う』といったような…

捻りと終着点

「進撃の巨人」が完結した。一応、初期から読んでいたのだけれど、マーレ編に入ったあたりで、これ、一気に読まないと設定忘れる奴だなと思って放置していたので、残りを一気に読んだ。綺麗にまとまって終わったと思う。 しかし、ベルトルトの正体が明かされ…

許容される複雑さ

なんか、また、現代人の読解力が~みたいな記事が出ていた。いい加減、そういうの止めないか、という気持ちだ。 もちろん、環境の差はあるし、時間の価値の変化というものはある。けれど、人間の脳がそんな急速に読解力の低下を招く様な事態にはなっていない…

どこを一般化し、どこを特色とするのか

「ゴジラ S.P」、とりあえず最新話まで追いついたのだけれど、全然、面白くならない。なぜかと言うと、まあ、色々と理由はあるのだけれど、一番は登場人物の目的とそれぞれの関係がめちゃくちゃ不明瞭なことだな、と思った。 主人公たち、何がしたいの? 周…

異質さの統合

最近考えていることに、異質なものをどうやって、違和感なく統合するか、というものがある。なぜかと言えば、それがゲームとしての面白さに繋がる気がしているからだ。 たとえば、「マジック:ザ・ギャザリング」において、マナ(エネルギーみたいな奴)と手…

完璧な作品はある、という確信、という幻想

ある症状がある。それを患った人は、脳の不具合によって、ある人物がその人本人ではないと確信してしまうというものだ。たとえば、長年連れ添った妻が、どう見てもその人には思えなくなってしまう。某国のスパイや、挙句の果てにはエイリアンが化けた存在だ…

「聲の形」の感想

引き続き、「聲の形」にハマっていて、原作読み返そうとしたら、売ってしまったのか、実家に置いてしまったのか、とにかく手元になかったので、我慢できずに電子書籍で買ってしまった。で、読んだのだけれど……う~ん、これ、記憶よりも微妙だな? 映画を観終…

傑作の条件

この間、NHKで「聲の形」がやっていたのをちらっと観た。それで、そういえば原作は観たのに、映画(アニメ)は観てないなーと何となく思っていた。最近、生活リズムが本当に終わっていて、その影響で今日は逆に早く起きて、やることもないから、「聲の形」を…

非対立項

売れるものvs面白いものみたいな対立項を持った創作論がマジでわからん。まあ、読者や視聴者を騙して楽に稼げるものを作ろうぜっていうのはわからないでもないのだけれど、その時点で、それは創作というよりはマックジョブなわけであって、しかも、それはコ…

勧めたくなる関係性

最近見た映画で、情報の非対称性から、関係性に非対称性が出ていて、これこれ、と思った。たとえば、「とある魔術の禁書目録」で、主人公は記憶喪失をしているが、ヒロインはその前の記憶も持っていて、みたいな構造に近い。そういう非対称性が、人を引き付…

作っていたゲーム

あるゲームを考えていた。現在は保留にしている。 発想の元としては、MTGのブースターブリッツを行った時のことだ。これは、MTGのブースターを1つ開封して、3枚4つのデッキに分け、それぞれで対戦するというルールである。これはある程度面白いと思ったが…

ファーストインプレッション

作品(ゲームや小説、映画に漫画など)に触れた時、どちらかと言えば、初見の感覚を大事にしている。何度も読んでだり、遊んだりした後の感想は、あまりあてにならないと思っている節があるからだ。 何度も読んでいたり、観ていたり、遊んでいたりすると、ど…

時代の移り変わり

「僕のヒーローアカデミア」のアニメを観た。それで、前々から考えていた(少年ジャンプ)漫画の新世代と旧世代に対する考えがちょっとまとまってきたので、書いておこうと思った。 この定義は僕が勝手にしているものだけれど、旧世代というのは、「ワンピー…

創作物はエンターテイメント学における実験であり、論文である

昔から、新規性のない創作物が嫌いだった。既存のものの組み合わせであったり、偉大な作品から引き継ぐ要素があるのは仕方がない。しかし、コアとなるものが、他の何かそのもので、フレーバーだけ変えたようなものが嫌いなのだ。どうしてかということを考え…

選択肢

ボードゲームの選択肢は適切な量が必要とされているように思える。 いわゆる傑作と言われている作品は、たいていの場合、3~8個程度の選択肢が毎ターン用意されている。これは意図的なものだと思われてる。 仮に1~2個しか選択肢がない場合、それはプレ…

ボードゲームの大枠

いわゆる重ゲーのボードゲームっていくつかのタイプに分かれているように感じている。 一つは、バランスよく成長させるタイプ。「スルー・ジ・エイジズ」に「アグリコラ」などのもので、ある程度幅はあるものの、最終的な得点の取り方が同じだったり、ボトル…

自作のTCG系アナログゲーム

自分でデザインしたTCG系アナログゲームのテストプレイを妻にしてもらった。とても雑な手書きのコンポーネントで試してみたのだが、普通にゲームとして成立するとわかったので、良かった。要素で言えば、MTGのブースターブリッツとプレインチェイス、…

名作は名作たり得るがゆえに名作なのだ

あまり作品の発掘は行わない。積極的にいろんな作品に触れていったり、知名度が低い作品を探っていったり、ということはせず、評判が良い新作や、名作・傑作と名高い作品に触れていくことが多い。 その理由の一つは、自力のある作品ならば、ほとんど人気が出…

駄創作

物語になれなかった何かを書くことがあるのだが、見返すと、しっかりストーリー構成を練ったものよりも、その場のノリで適当に思い付いたものの方が文字数もあるし、面白かったりして、がっかりすることがある。 数年前からアイデアがあって、改良に改良に改…

物語の複雑性

「十三機兵防衛圏」をクリアした。このゲームはネタバレ抜きでこそ、本当に楽しめるタイプのゲームだと思うので、感想は書かないが、これをプレイしていて、今まで考えていた持論を思い出したので、それを書こうと思った。それは、物語は複雑であればあるほ…

伝奇ものに関して

僕はあまり伝奇もの、特に伝奇バトルがあまり好きではない。所謂、一時期流行ったラノベやFateとかそういう奴だ。その理由を考えて見た。 きっと、どちらも想像上のものであるのが好きではないのだろう。どっちが勝つのかは本質的に作者に委ねられていると思…

ないものねだり

創作とは、物語を創るとは、面白くするとは、端的に言ってしまえば、時間軸を動かすことであると思う。バラバラにする、ループさせる、戻させる、遅らせる、平行に走らせる、或いは単にカットする。組み合わせも考えれば、バリエーションは無数にあって、未…

シナリオはカジュアルさを生む

僕は以前から、カジュアルさを持ったTCGが必要だと常々思っていた。一般的にTCGは大会へ出て、そこで良い成績を取るのが最終的な到達点という流れがある。eスポーツ化してきているDCGにおいてもそうだろう。しかし、実際にはもっとカジュアルな層…

意味のない/ある選択肢

僕の嫌いなものの一つに意味のない選択肢がある。狭義には、FGOなんかについているアレだ。すぐ後のリアクションが変わるだけで、数クリックで共通に戻る。それ、いらないよね。意味のない選択肢ばかりあるゲームは、まるで人生のようで嫌いだ。 しかし、…

ボードゲームの要素

基本的に(ユーロ的な)ボードゲームは以下の要素で成り立っていると思う。 ・いずれかの選択をする この際、その変化によって、違いが明確にならなければならず、また、選択肢は思考可能な範囲に留まる。多すぎる選択肢は逆に選択を狭める。 ・手番を無駄に…

探求に関して

ある作品で、作中の設定に関して、よくキャラクターたちが考察をしているのが好きだ。こういう現象は、こういうことではないか、いや、それだとこれは説明出来ないみたいなことを言い合っている。そして、結局、どれが正解の解釈なのか(少なくとも今のとこ…

追っている作家さんに関して

きっとでしかないのだけれど、僕がちゃんと追っている作家さんには共通点がある。それは、自分が死ぬ、全てが終わることに気付いている人という点だ。どうしてかといえば、テーマの取り方や語り口から察せられるというしかない。どうせ死んでしまうという点…

インフレに関して

ソシャゲやTCGのように定期的に続いていくゲームでよく問題になるのはインフレというものだ。これは宿命のようなもので、なかなか逃れられる術がない。 どうして発生するかというと、ゲームの根幹設計の幅が狭いからだ。狭い中で、キャラクターやカードを…