選択肢

 ボードゲームの選択肢は適切な量が必要とされているように思える。

 

 いわゆる傑作と言われている作品は、たいていの場合、3~8個程度の選択肢が毎ターン用意されている。これは意図的なものだと思われてる。

 仮に1~2個しか選択肢がない場合、それはプレイヤーの意図が介在しているように思えない。なるで作業のように、何かをやっていくだけになってしまう。

 逆に10個も選択肢があると、その行動がそれぞれ何を及ぼすかを判断できなくなってしまう。もちろん、棋士のような人はそうではないのだろうが、一般的な人はそこまで読み切ることができないだろう。思考することが利点になり、時間をかけることにコストがない場合、ひたすら思考することが有利になってしまい、膨大なダウンタイムが発生しやすくなってしまう。

 だから、3~8個程度の選択肢を持たせ、ターンごとにはある程度ランダムな要素を持たせ、3ターン以降より先のことは明確でないようにする。その思考の制御こそが、快適なボードゲームのプレイ感を支えていると言ってもよい。人生はきっと、選択肢が多すぎて、皆、ひたすら悩んでしまうのだろうな……ならば、自分からある程度選択肢を狭め、未来は読めないものとした方が、楽しい選択ができるように思える。