伝奇ものに関して

 僕はあまり伝奇もの、特に伝奇バトルがあまり好きではない。所謂、一時期流行ったラノベFateとかそういう奴だ。その理由を考えて見た。

 きっと、どちらも想像上のものであるのが好きではないのだろう。どっちが勝つのかは本質的に作者に委ねられていると思ってしまうからだ。例えば、魔法使いとドラゴンの戦いを考えて見よう。いや、伝奇ものだから、超能力者と魔法使いにしようか。このうち、どちらが勝つかというのは、完全に作中の法則に従う。全く推測が立てられないから、早く結果だけを提示してくれって気持ちになってしまう。だから、SF風バトルとでも言えばいいのだろうか、そういうのはかなり好きで、それはこの現実から地続きの理屈を提示できるからだ。あるいは、バトルも片方だけが空想である、自衛隊VSドラゴンのようなものだったり、両者が現実に基づくような、バイキングVS侍といった場合も、結構好きなシチュエーションだ。しかし、それは伝奇バトルではほぼあり得ないだろう。

 また、媒体が小説やノベルゲーの場合、映画やアニメのように表現を楽しむ幅が狭く、その点でも興味が湧かないのだと思う。映画なら、「アトミック・ブロント」のようなリアルよりのアクションも、僕が好きな「ジョン・ウィック」や「リベリオン」のようにリアルっぽいけれど、すごく外連味のあるアクションも、MCUのようなフィクションよりのアクションも、それぞれの展開を楽しめる。しかし、文章だけの表現の場合、盛り上げ方が割と偏っているというか、ある種の方向性しかないと思う。それこそ、きのこ節とでも言おうか。

 僕にとっては論理が必要なのだと思う。伝奇ものでも、その辺の法則や制限がしっかりしている作品は好きだし。しかし、盛り上げとしては、やはり、語りが大事だと思うので、実際にそれが上手い人がみんなに人気あるバトルを書いている気がする。