「マンダロリアン」の全編における感想

 「マンダロリアン」のシーズン1を全部観たので、感想をまとめようと思う。

 ネタバレは明示的に書いていないが、特に伏せているわけでもないので、注意して欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

・1話

 かなり理想的な1話だと思う。主人公である『マンド』の性格や能力、立場というものを示す。そして、バウンティハンターとして、ボバ・フェットと共にいたIGユニットの新キャラを相棒として提示しておいての、この話のエンディング。とても面白いし、全体的に西部劇を基盤としていることが明示されていて、わかりやすい。名作映画へのオマージュとなるシーンもあって良い。

 

・2話

 主人公が完璧超人ではないことを示し、観客に親近感を持たせる2話。1話とは続きもので、これは3話までで一区切りとなる。『ザ・チャイルド』、いわゆるベビー・ヨーダの役割(フォースは強いが明示的に使用出来ず、基本的には周囲を和ませ、主人公の枷となる)が明らかに。舞台装置としての括りが強かったジャワ族の掘り下げも少しされている。また、馬の代替となる生物の登場も。本当にコアは西部劇だ。みんな大好き子連れ狼だからな。

 

・3話

 一つの区切り。これで、オープニングが終わり、基本的なスタンスが示される。ギルドにも元帝国にも追われる一匹狼の登場というわけだ。アクションに気合いが入っており、特に最後のマンダロリアン勢揃いのシーンは素晴らしい。皆が観たかったものを率直に魅せてくれる。

 

・4話

 夫婦揃って一番の神回と意見が一致した回。単体で完結した話だが、クオリティが高く、綺麗にまとまっている。これを長引かせないで、1話だけで終わらせるところに技量や自信を感じる。必要なものは全部揃っていて、特に「ローグ・ワン」でも提示されたようなフォース無き代の帝国の強さ(今回の場合はAT-ST)が描写されているのは素晴らしい。特に一般人からみたAT-STは本当にたまらない魅力がある。

 

・5話

 ハン・ソロみたいな奴が仲間になると思いきや……という回。舞台がかなりファンに媚びているのだが、それがいい。EP7・9嫌いな人は、この回も嫌いなのかな? 賞金稼ぎという金だけを基準にする職業の厳しさや虚しさみたいなものが良く出ていて、単体として面白い回だと思う。

 

・6話

 独特の演出が面白い回。全体的にホラー・サスペンスのテイストが強く、『マンド』の一度投獄されてからの快進撃はとても好き。めちゃくちゃ格好いいやんけ……チームメイトがいいキャラをしていたので、再登場して欲しい。それにしても、リーダーとか全体的に「ボーダーランズ」風味があるんですよね。

 

・7話

 こうやって、各回の相棒が一堂に会していく展開、たまらねえぜ。やっぱり、オムニバス感のあるドラマの最後はこうでなくちゃな。8話を後編とするところの前編。まさかのIG-11の再登場で、テーマが提示される。本質を超えた成長。その結果は、8話で示されることになる。そして、この作品が、仲良しこよしで、仲間は全員生存するような優しい世界でないことも明らかになってしまう……

 

・8話

 最後の回。ラスボスにありがちな慢心する悪役のせいで、少しテンポが悪いが……ま、多少はね。IG-11の役割や、貯めに貯めたジェットパックの展開。ハンマーを使った殺陣など、盛りだくさんだった。一つの区切りが付き、次のシーズンにおける目的が提示される。あと、最後のアレ、ライトセーバーとする向きもあるみたいですけれど、僕と妻はその技術を使った別の武器という見解。しかし、黒い刃、しかも刀型とはね……格好いいに決まっているよ……

 追記:と、この時は思っていたのだけれど、調べてみたらダークセーバーという設定がすでに存在しているらしく、クローン・ウォーズに登場しており、ダース・モールも持ったことがあるようだ。知らなかった! 最初のマンダロリアンが創った特別なセーバーらしい。この作品にこれでもないぐらい適していて、満を持しての登場ということのようだ。それを知っていれば、めちゃくちゃ興奮できたろうに。クローン・ウォーズ、長すぎてちゃんと追えてないんだよね……

 

 全体的に、とても面白かった。古き良き要素がありつつ、新しい風を感じる仕上がりに。SWだけに依存する作品でないのがいいのだろうな。色々な作品の要素が入っているから。単品回(4~6話)に好きな回が多かったので、シーズン2はそれを多めにしてくれるといいかな。