DCEU短評

 そういえば、MCUの総評はやったのに、DCEU(まだこの呼称残ってる?)の総評はやっていないなと思ったので、「ワンダーウーマン1984」観てない記念に、まとめてみようと思った。

 

・マン・オブ・スティール 72点

 良い点:スローモーションを止めてアニメを参考にしたと言われるアクションシーンが良い。

 悪い点:話とヴィランが駄目。そして、それは致命的な欠点である。この時代にスーパーマン(とそのオリジン)を描く難しさはわかるが、ゆえに色々と工夫もできただろうに、それをしていない時点でね……

 

バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 60点

 良い点:ヴィジュアルは最高。

 悪い点:それ以外の全部……なんだけれど、やはり、脚本とヴィランという話になってしまう。せっかく、バットマンとスーパーマンを対比できる機会なんだから、徹底的に対比させて、その後での和解やろがい! しかも、それに比肩しうるテーマとパワーを持ったヴィランがいるでしょうがい! 「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」は今までイチャコラしてた過去があるから、あれで機能しているけれど、そういうのがないんだから、もっと工夫しないと駄目でしょ。

 

スーサイド・スクワッド 50点

 良い点:PVが映画史に残る出来で最高。

 悪い点:全部。いや、ハーレイだけセーフか? まあ、流石に話がめちゃくちゃで矛盾している点があるので、直前で適当に編集されたんだろうな、というのはわかるのだけれど、それ以前に色々と問題があって、もし、そのままでもクソだったのは間違いない。全てが駄目。ヴィランを主人公にするのだから、そうでなければならない話にしなければならぬ。

 

ワンダーウーマン 70点

 良い点:普通に最低限の部分は成立してる。

 悪い点:全体的に必然性がほとんどなく、テキトー脚本にそれっぽい演出の詰め合わせという悪いヒーロー映画という感じ。まあ、それが平均ではあるのだけれど。スパッドとか、マジでなんもしなくて草生えたわ。なら、過去話みたいなところに尺を割く必要がない。全体的にそういう映画なんだよ、これ。しかも、またヴィランに魅力がなくて駄目。

 

ジャスティス・リーグ 65点

 良い点:PVがめちゃくちゃ良いし、悪落ちスーパーマンは可能性を感じる。

 悪い点:ジャスティス・リーグを映画化すると、こういう問題があるよねっていう問題をそのまま映画にした感。まあ、やっぱり、スーパーマンと、それに比肩するヴィラン、という話になるのだけれど。悪落ちスーパーマンとか、あるいは、それをコピーした存在とか、そういうもっとわかりやすく超常の存在がいないと、わざわざジャスティス・リーグ作る意味ないじゃんっていうね。ザック・スナイダーが最後まで監督やってれば、少しはましになっただろうとは思うけれど、やっぱり、根幹的な問題が放置されているよ。脚本を大きく変えないとそれは修正できないので、期待はしていない。「アベンジャーズ」の前なら許されていたのかもな。

 

・アクアマン 70点

 良い点:粗はあるけれど、大筋は問題ない。

 悪い点:逆に言うと、大筋は問題ないのに、粗があり過ぎるんだよ! もっと細かいところを良くするだけで、90点クラスも狙えるのに、雑過ぎィ! ヴィランとかただの可哀そうな人みたいになってたよ、最終的に。ちょっと変えるだけで、マジで全然、全然、全然違うのにな。どうして……

 

・シャザム! 82点

 良い点:やっぱり、ヴィランにフォーカスを当てる必要があるってはっきりわかんだね

 悪い点:クライマックスが雑だ~ やらなければいけないことがいっぱいあって、それを詰め込んで消化していきます! あ、ついでにギャグもあるよ、としてしまったので、間延びはするし、適当になるしで、まあ、最悪というわけです。全体がコメディ風味だからといって、決戦までコメディにする必要はないのよ。「マイティ・ソー/バトルロイヤル」を見習って。

 

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY 60点

 良い点:観れなくはない。

 悪い点:根幹的なところ全部! 細かいところのレベルは高いが、しかし、作品よりも優先される脚本はなく、脚本よりも優先されるシーンはなく、シーンよりも優先される演出も台詞もない。ということで、細かい部分のレベルが高くても、根幹のレベルが低いと意味がない。ジェンダーというのは、性別の精神性であり、社会性であり、ジェンダーの問題というのは、肉体性別によって、社会が差別をすることなんですよ、わかります? だから、そのまま肉体性別でチーム組んで戦います! ってやったら、それはジェンダーレスの映画にならないわけ。子供でもわかるだろ……「マンダロリアン」の方がよっぽどジェンダーレス実現しとるわ。

 

 まとめていて思ったのだけれど、アベレージ低いというより、傑作がない。MCUを牛丼だとすれば、DCEUは牛肉なし牛丼という感じ。MCUから傑作級を抜くと、DCEUと同じぐらいという感覚だ。でも、MCUでも傑作級を出す監督って、やっぱり限られているので、そういう人が来てくれればなーという印象です。なので、「ザ・スーサイド・スクワッド」にはそこそこ期待しつつ。「ジョーカー」はめちゃくちゃ良かったので、ああいう方向も入れつつ、という感じで良いのでないでしょうか。