ファーストインプレッション

 作品(ゲームや小説、映画に漫画など)に触れた時、どちらかと言えば、初見の感覚を大事にしている。何度も読んでだり、遊んだりした後の感想は、あまりあてにならないと思っている節があるからだ。

 何度も読んでいたり、観ていたり、遊んでいたりすると、どうしても愛着がわいてきてしまう。だから、大したことのないキャラクターやシナリオ、システムなのに、良いものだと思い込みやすくなると思っている。また、アナログ、デジタルを問わずゲームの場合には、初見ゆえの面倒さという視点はとても大事だ。慣れてしまうと、欠点が欠点と思えなくなってしまって、いい部分だけを見てしまったりする。

 そして、何より、何度もリプレイされるものより、一回きりで終わる作品の方が圧倒的に多いし、一回きりで終える人の方が圧倒的に多い。何度も触れることで、真の面白さがわかるような作品は、その真に触れる人は、ごく一部になってしまう。これでは意味がない。

 熟練してしまった人たちだけで創作されたものが、失敗する例を何回も聞いている。いつだって、初見の人の意見は最優先にすべきだし、創作者も常にその視点を忘れてはならない。そうでないと、作品は崩壊してしまう。

 そういう考えもあって、初見で印象が悪かったものは、あまり深追いしないし、したとしても、初見では面白くなかったのだという気持ちを忘れず、どうしてそうなったのかを考えながらその作品に触れている。だから、僕は熱心な固定ファンが付くような作品をあまり好きにならない傾向がある。深く掘り下げるのが苦手ということもあるのだろうが。