どこを一般化し、どこを特色とするのか

 「ゴジラ S.P」、とりあえず最新話まで追いついたのだけれど、全然、面白くならない。なぜかと言うと、まあ、色々と理由はあるのだけれど、一番は登場人物の目的とそれぞれの関係がめちゃくちゃ不明瞭なことだな、と思った。

 主人公たち、何がしたいの? 周りの組織は、何がしたいの? そういう基本的な問いに答えられるような作品の流れになっていない。まだ、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の方がましだった。どうせ、みんな出来の良い怪獣のCGしか見ていないのだから、後者の方がまだ割り切っていた。主要な人物は家族で構成されていて、わかりやすい。これが、「ゴジラ S.P」のように偶然関わり合った人たちだったら、余計に意味が分からない作品になっていただろう。

 微妙な作品に出合うと、どうして、自然な配役にしないのか、といつも疑問に思う。たとえば、「ゴジラ S.P」だって、頭が良すぎるがゆえに田舎で厭われていた親友同士とかでいいじゃん。幼馴染とかでさ。同性だったら、より現代らしい。それで、片方は理論派で片方は現実派とか、片方が空想科学よりで片方が現実科学より(これは一応、今もそうなっているが、それがきっちり分けられていないんだよなぁ。理由は、両者に現実と空想の科学の要素が混じっていて、その境界が明確化されていない。もしくは、作者がその境界を理解していない)とかでいいじゃん。見た目をちょっと既存のキャラっぽくしないとか、マッドっぽい方が現実よりであるギャップとか、その程度のキャラ付けで良くない? 現状、マジで感情移入できる、というか、まともに意義が感じられるキャラクターがAIしかいないのマジでヤバくないか? ジェットジャガーとペロ2以外は死んでも何の感情も抱かないんだが。

 どうせ、全てに奇をてらっても、注意が散漫になるだけだ。コアになる部分がユニークなら、あとは演繹的に当たり前のキャラクターを用意すればいいんだよ。どうしてそれがわからないのか、理解に苦しむ。