非対立項

 売れるものvs面白いものみたいな対立項を持った創作論がマジでわからん。まあ、読者や視聴者を騙して楽に稼げるものを作ろうぜっていうのはわからないでもないのだけれど、その時点で、それは創作というよりはマックジョブなわけであって、しかも、それはコンビニでバイトするよりも不確実なものであって、面白さよりも売れそうなものを優先して、結果として売れるのって、単純に面白いものを作るよりも難しくねえか、と思ってしまう。

 面白いものを創ったのに、売れなかったというパターンをみることはあるし、それを嘆いている作者さんにも会うことはあるんだけれど、じゃあ、それはそのジャンルで傑作と言われている作品と同じぐらい、いや、それを超えるほどの面白さがあると思っているんですか、といつも思ってしまう。たとえば、漫画なら、「進撃の巨人」を超えるだけの面白さがありますか? それだけの斬新さやテーマ性、演出や展開ができていますか? そう思う。間違いなく、そうだ、となったのに売れないのなら、それはきっと自身の審美眼が狂っているので、他の人とかに聞いて意見を求めた方がいいと思いますね。本当に面白いものを、大衆が見逃すはずもない。

 そうじゃなくて、でも、たとえば、週刊少年ジャンプの中堅どころよりは面白い自信があります、ぐらいに言われても、それはさもありなんというか、そんな作品なんて山のようにあるんだから、埋もれて当然じゃん、と思う。その作品が売れてんのに、お前の作品が売れてないのは確かに運だと思うが、運によって儲けたいと思ってんなら、競馬か宝くじ売り場にでも行ってろ、としか言えない。

 結局、面白いものを創りたくて、創りたいのなら、極限まで面白さを追求すべきだし、本当にそれが達成された時には、もう、それで食ってけるようになってんだろ。それができないのは、単に面白さが足りてないというだけのことだ。承認欲求が足りないのならばボランティアでもしてろ。お金が足りてないのなら働きにでもいってろ。運が足りてないのならお祈りにでもいってろ。地位が足りないのなら出世街道にでも乗ってろ。

 そういう、代替の利かないものがあるから、それを追い求めてるんじゃないのか。代替が利くんなら、そっちで満足してろよ。