期待と決めつけ

 まだ、何もわかっていない新作にそこまで邪険なことを言う必要はないじゃないか、と思うことがある。あるいは、人気作の続編や番外編なども、よほどやらかしている人が再任されているとかではなければ、別に結果を見てから判断すればいいじゃないか、と思う。それで思ったのだけれど、僕は本質的に期待していないんだな。

 世の中に存在しているもののうち、本当に面白いのは一握りなんだから、そこに収まるものがきて、しかも、自分の価値観に一致するような作品が生まれるなんて、奇跡のようなものだ。よほど打率のいい監督や作家だって、外すことはあるし、それが次作ではないとは限らない。また、クソみたいな創作者でも、運よく名作が生まれることは稀によくある。結果が出るまで、期待する必要もない。

 だから、僕にとって、期待作、という言い方をするものは、基本的に要チェック作品、出版したり公開したりしたら、必ず読む観るをしようと今のところは思っているぐらいのニュアンスしかなくて、あまり期待していないから、逆に疑念を持つこともないのだろう。

 そんな頻繁に素晴らしい作品になんて出会えないので、期待しても仕方ないよ。残念ながら。