ボードゲーム

「カヴェルナ」の感想

「カヴェルナ」は「アグリコラ」の実質的な後継作であり、多くの部分が一致している。しかし、その差が、大きな効果を呼んでおり、真逆ともいえるプレイ感になっているので、その差異を中心にまとめたいと思う。 まず、アクションが強くなった。「アグリコラ…

「アグリコラ」の感想

ウヴェ・ローゼンベルクの「カヴェルナ」をやり、非常に面白く感じた。一方、彼の精神的前作である「アグリコラ」を僕は好んでいない。この差を明確にするため、まずは「アグリコラ」に関する感想をまとめようと思った。 「アグリコラ」はワーカープレイスメ…

「ティーフェンタールの酒場」の感想

とりあえず、基本セットのみの感想を。 よくできている。よくできているが、選択の重要性をあまり感じない。このゲームは、「ブルゴーニュの城」にダイスドラフトを加え、デッキ構築とバースト要素を持たせたようなゲームだ。確かに、出てきたダイス目に左右…

アナログゲームとデジタルゲームの境界

ボードゲーマーへの100の質問を読んでいたら(そもそも、100の質問という文化が古のネット文化になっている気がするけれど……)、スマートフォンなどを使用するゲームは、アナログゲームだと思いますか? という質問があった。なるほど、皆はデジタルか…

デッキを構築する意味

デッキ構築という仕組みが分離されるようになってきたと感じている。「ドミニオン」によって、デッキ構築自体がゲームになると判明してからというものの、他のTCG系のボードゲームに関しては、デッキ構築が分離されるようになった。「Smash Up!」において…

「Spirit Island」の感想

カードの文章差し替えや、日本語ボードの作成などを乗り越え、ようやくプレイ。まだソロプレイしかしていないものの、なんとなくわかってきたので感想をまとめたいと思った。 まず、テーマが面白い。協力型であり、敵から己を守る「パンデミック」型なのだが…

「The Castles of Burgundy」の感想

傑作と名高いダイスゲームだが、評判に負けない面白さだった。 基本的には振ったダイスの出目に従って、タイルを自分のボードに置くということを繰り返す。これにより、得点が手に入り、その点が高い人が勝ちだ。その中で、ある領域を早く埋めるだとか、同じ…

RPGの敵に関して

RPGのデザインというのは難しいと思っている。なぜかというと、最終的な指標がダメージ量だけに換算しやすいからだ。 もちろん、状態異常なんかがあるゲームも多いのだけれど、この扱いはそもそも難しい。即死のように強すぎるものは、ほとんどの敵が態勢…

「Aeon's End」のソロプレイ

なんかもういいかなと思ったので、売る前に一通り楽しもうと思って、「Aeon's End」の全敵とソロプレイを行った。難易度減少ルールを全て使ったおかげで、余裕でクリアできてよかった。普通に面白く、不要なダウンタイムが発生しない分、ソロの方が楽しいま…

ドラフトの考察

ドラフトというメカニズムを僕は好んでいる。一方で、MTGにおけるドラフトの面白さのようなものを、一般的な多くのアナログゲームは再現できておらず、それよりもつまらないものになっているという感想を抱く。ドラフトはシンプルなメカニズムだが、ゲー…

好きなゲームの傾向

妻に、僕はいろんなゲームがやりたいタイプの人間であって、一つのゲームを極めようとしないよね、と言われた。確かにその通りだ。僕は探検家タイプのゲーマーであって、新しい要素に挑戦することを好む。全ての要素を理解してしまった後に、それを攻略した…

「パンデミック:クトゥルフの呼び声」の感想

基本的にはクトゥルフのパンデミック版という印象。基本が面白いので、普通に面白い。違いとしては、以下の点が挙げられる。 まずは、キャラクターの差異が大きくなっている。能力は本家と同じものが多いのだが、正気状態の他に狂気状態というものがあって、…

選択肢

ボードゲームの選択肢は適切な量が必要とされているように思える。 いわゆる傑作と言われている作品は、たいていの場合、3~8個程度の選択肢が毎ターン用意されている。これは意図的なものだと思われてる。 仮に1~2個しか選択肢がない場合、それはプレ…

「Aeon's End」の感想

二人で二度プレイしたので、感想。一度目はクリアしたと思ったのだが、ルールが間違っていたことがわかった。本来なら、中盤当たりで負けていたことになる。二度目はギリギリクリア。しかし、これで一番弱い敵だというのだから…… これは協力型のデッキ構築ゲ…

ボードゲームの大枠

いわゆる重ゲーのボードゲームっていくつかのタイプに分かれているように感じている。 一つは、バランスよく成長させるタイプ。「スルー・ジ・エイジズ」に「アグリコラ」などのもので、ある程度幅はあるものの、最終的な得点の取り方が同じだったり、ボトル…

自作のTCG系アナログゲーム

自分でデザインしたTCG系アナログゲームのテストプレイを妻にしてもらった。とても雑な手書きのコンポーネントで試してみたのだが、普通にゲームとして成立するとわかったので、良かった。要素で言えば、MTGのブースターブリッツとプレインチェイス、…

「ワイナリーの四季」の感想

ようやくプレイできて、気に入って買ってしまったので、その感想を。すでに4回ぐらいプレイしている。 まず、シンプルなワーカープレイスメントなのが良い。ワーカーの維持コストはなく、妙な制限もなく、単純に増やすアクションに対するコストだけがある。…

「テラフォーミングマーズ」の問題点について

ずっともにょもにょしていたゲームである「テラフォーミングマーズ」の3回プレイして、ようやくその原因がわかってきたので、メモっておきたいと思う。 まず、細かい計算があり過ぎて、脳が無駄に疲れる。カードのコストが1~36程度であり、そこにカード…

カード獲得手法の違いにおける考察

最近、いくつかのゲームをやっていてわかったことがある。例えば、「Slay the Spire」をやった。確かに面白い。面白いのだが、どうにもはまり切れない感覚があった。それに気付いた時、この感覚は「テラフォーミングマーズ」や「レス・アルカナ」、「レース…

「センチュリー:ゴーレム」の感想

思った以上に楽しかったので、簡単な感想。 これはかなりシンプルなゲームで自分の手番で資源を獲得するか、アップグレードしていき、指定された等級と数の資源を持っていれば得点を獲得できるという構造になっている。これは、あらゆるボードゲームの骨子と…

「オルレアン」の感想

2回だけだけれど、「オルレアン」を2人対戦で遊んだので、その感想をまとめてみる。多くは「アルティプラーノ」との比較になると思う。 まず、大きく「アルティプラーノ」と違うのは、チップ自体に得点がなく、最終的には共通ボードの争いとなることだ。僕…

「テラフォーミングマーズ」の感想

「テラフォーミングマーズ」をようやくプレイした。その感想を簡単にまとめたいと思う。総評としては、想像よりも面白かったが、しかし、違和感を抱くようなゲームでもあった。 まず、基本がカードプレイで、膨大なユニークカードに支えられたゲームであるこ…

「アルティプラーノ」のプレイ感想

「アルティプラーノ」というゲームがある。BGGでもそれなりに評価されているのだけれど、どちらかと言うと影の薄いゲームとなっていて、同じデザイナーの前作である「オルレアン」の完全日本語版はプレミアがついて久しいのに、こっちの方はむしろ、在庫がだ…

「コンコルディア」のプレイ感

ずっと気になっていた「コンコルディア」をプレイした。こんな感じのゲームデザインは通用するのではないかと思っていた、ロンデル的なデッキ構築的なアクションフェイズのデザインになっており、注目していたのだ。想定通り、めっちゃ面白かった。 まず、カ…

「レス・アルカナ」のデザイン考察

「レス・アルカナ」というボードゲームは、簡単に言えば、お気軽ドラフトコンボゲームといったものになる。MTGを始めとしたゲームによくあるコンボという要素は、簡単に言えば、あるリソースを他のリソースに変換することを大元としている。それを、「レス・…

アナログの強みの一つ

アナログゲーム、ここでは、TRPGやボードゲームを考える。これらでした選択というのは、不可逆であると言える。なぜならば、証人が他にいるからだ。他のプレイヤーやGMがいる。彼らは僕たちの選択をみて、その結果をみている。都合が悪かったからと言…

コンポーネントというのは、物体そのもの、各部品のことです

あまりボードゲームのコンポーネントにはこだわっていない方だ。まあ、「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」という宇宙を舞台にしている割にカードしかコンポーネントがないゲームがかなり好きだという時点でわかっていたのだけれど。でも、コンポーネント…

ぼくのかんがえたさいこうのかーどげーむ

なんかずっとMTGのようでいて、MTGではない何かのゲームを創りたがっている。理由を考えて見ると、きっとMTGやそれに連なるTCGに不満があるからなのだろう。 なんでかってことを考えると、もっとカジュアルにTCGをしたいという気持ちに行き着…

「サイズ 大鎌戦役」の拡張の感想

最近はまっている「サイズ 大鎌戦役」の拡張を一通り触ることができた(終わったとは言ってない)ので、簡単な感想をまとめようと思った。 ・第一拡張「彼方よりの侵攻」 なかなか面白い。単純に2陣営を追加し、遊べる人数も増やす正統派拡張。 ついに日本…

ボードゲームの要素

基本的に(ユーロ的な)ボードゲームは以下の要素で成り立っていると思う。 ・いずれかの選択をする この際、その変化によって、違いが明確にならなければならず、また、選択肢は思考可能な範囲に留まる。多すぎる選択肢は逆に選択を狭める。 ・手番を無駄に…