「テラフォーミングマーズ」の感想

 「テラフォーミングマーズ」をようやくプレイした。その感想を簡単にまとめたいと思う。総評としては、想像よりも面白かったが、しかし、違和感を抱くようなゲームでもあった。

 

 まず、基本がカードプレイで、膨大なユニークカードに支えられたゲームであること。これは間違いなく、今流行りの構造で、「ウィングスパン」や「エバーデール」といった人気のゲームで採用されているメカニズムである。カードプレイというのは、目の前のカードに起こる効果が書かれているので、とにかくわかりやすい。しかも、取れるアクションが限られるわけだから、選択も迷いにくい。さらにカード量を膨大にすれば、出てくるカードがゲームごとに異なるからリプレイ性も高く、カードを増やせば拡張も簡単に出せるといいことずくめだ。しかし、逆を言えば、そのどれもが同じようなプレイ感になってしまい、向こうの用意したカードで向こうの用意したパラメータを上下させているだけだなぁというような、感想に僕はなってしまった。そのゲーム独自のものだとか、そのゲームの本質だとか、そういったものを感じにくくなっていると思うのだ。だから、確かに面白いのだが、一番面白いという気持ちにはなれない。

 

 次にテンポが悪く、カード運に左右されること。確か、上級ルールにドラフトでカードを引くというルールがあったはずだが、そうなると今よりも更に時間がかかってしまうことになるだろう。このゲームは、各ラウンドに4枚のカードを引き、その1枚ごとに、コストを払って手に入れるか、あるいは捨てるかを選択する。これがだるさの原因になっているように思えるのだ。

 なぜなら、たとえば、4枚のカードから固定で2枚を選択するというルールであった場合、その組み合わせは6通りしかない。しかし、4枚のカードの取捨選択が出来るとなると、組み合わせは一気に16通りとなるのだ。これでは時間がかかる。さらにドラフトとなれば、結果は火を見るより明らかだ。

 また、所詮は4枚(+ドラフト)であり、せっかく企業や場に出しているカードがあるのに、全てのカードがユニークである(だったと思う)ゆえ、全くシナジーのないカードばかり引くこともあり得る。そうなると、せっかくやりたかった戦略が取れないということもあるだろう。これはやる気を削ぐと思う。僕が好きなゲームに「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」というゲームがあるのだが、このゲームもカードプレイのゲームなので、(対策はあるのだが)どうしてもカードの引きが偏ってしまうことがある。そうなると、さっきもこの軍事戦略はやったのになぁ、とか思いながらプレイすることや、カードがバラバラすぎて何やっていいかわからん、と困惑しているうちに差を広げられてしまったりする。こういうことがあると、ゲームに意志が介在できていないように感じられてしまうのだ。「アルティプラーノ」のように、チップ(カードに該当)を取得するのに、ランダムさがないゲームでは、事前に立てた計画を実行することができ、その出来不出来が結果となって現れるので、トライ&エラーがやりやすく、連続してプレイすることができる。

 

 うーん、なんだろう。この辺のゲームってめっちゃ好きで何回もプレイするんだけれど、何が足りないのかを探しながらプレイしているというか、そんな気持ちになっちゃったりするんだよね。好みの問題かもしれぬ。