「厄介なゲストたち」の感想

 アリバイや凶器、動機に関するカードがあり、それを確認しながら、犯人を当てるというゲームだ。

 昔からよくあるタイプのこれは、犯人、動機、凶器などのデッキから、1枚カードを抜き、そのカードを当てるというものが多い。これらは、結局のところ、ジジ抜きにしかならず、推理ものとしての様相を呈していないという欠点があった。

 この「厄介なゲストたち」は、プログラムによって生成されたデッキ(カード番号が指定される)を使ってゲームを行いことで、それ以上の関連性を持たせられるのが特徴となっている。犯人が嘘をついたり、共犯者がいたり、ということが実現可能になっているのだ。

 しかし、連続してやってみると、結局はカードの情報をまとめるだけと言えばまとめるだけで、途中までは様々な可能性が考慮できるがゆえに、犯人を断定できない。だが、ある時点まで行くと、情報が十分になり、特定できる。プレイ感覚としては、推理というよりも数独なんかのパズルに近いものになってしまっていると思った。

 推理とは、本質的にどういうものを指すのだろうか。そして、推理力が優れているとは、何を指すのだろうか。

 そういうことを考え始めている。

 何を変更すれば、このゲームはより推理ゲームらしくなるのか。

 とはいっても、推理小説家が楽しむほどには推理感はあり、十分に面白いゲームだ。英語版しか存在しないが、日本語版ルール付きは売られているし、カード内容の英語はテンプレートだから、すぐに理解できる。中学生英語で十分だ。一度プレイする価値は十分にあると思う。