「オーディンの祝祭」の感想

 ようやく手に入れたので、感想を。

 まず、パズルという要素が良い。簡単に価値を把握できない。もちろん、基本的にはタイルの大きさがそのまま点数に直結するのだが、組み合わせの問題があるので、そのまま素直に受け取ることができない複雑さがある。

 また、基本的なワーカープレイスメントだが、次第にワーカーが増えていくデザインも見事だ。ワーカーを増やすというアクションが強くなりがちなので、実際のところ、ワーカープレイスメントにおけるワーカーを増やすというアクションは難しさがある。「アグリコラ」のように増えたワーカーを養うのが大変だとか、「カヴェルナ」のように少数ワーカーにも利益があるとするか、とすべきなのだが、ワーカーを増やすのは楽しい行為なので、それを否定しすぎてもいけないというデザイン上のジレンマがある。簡単な解決は「アルルの丘」のように固定数のワーカーにするという方法だろう。次点で、この「オーディンの祝祭」のような自然と増えていく形式となる。

 ワーカーの数でプレイスがジャンル分けされているのもよい。単純に考えれば、1ワーカーずつ置いていきたいが、先手順があるので、取られるかもしれないので、何を優先するかを迫られる、ということがある。また、3ワーカーと4ワーカーに同じようなプレイスを用意することにより、プレイス占有の問題を部分的に解決している。同じ場所に入るにはコストがかかるとしているゲームもあるのだが、それを追加ルールなしで自然と表現しており、しかも、デザイナーが制御できる塩梅が大きい。良いデザインだと感じる。

 問題だと思ったのは、いくつかあるルートに強弱があるとすでに感じられている点だ。スパイクではないのに、それが察せているのだから、推して知るべしだろう。

 これは実際、問題となり、拡張で解決されているらしい。拡張は現在、どこも品切れなので、年内にあるらしい再販が楽しみだ。