「ファラオン」の感想

 エジプトテーマのアナログゲーム。5アクションの中からワーカープレイスメント的(消費するのはワーカーでなくリソースだが、枠の制限がある)にやりたいアクションを選ぶ。全5ラウンドで終わり、というシンプルなゲーム。基本的に各要素は他のゲームなどでみたことがあり、斬新な何かを搭載しているようなゲームではない。

 その最大の特徴は辛さである。どのアクションを実行するにもリソースが必要で、しかも、得点源になるものほど、リソースの条件が厳しい(同じもの3つや、異なる5つなど)設定になっている。リソースを得るアクションはほとんどなく、主なリソースは各ラウンドの初めに配られる3つのみ。これを上手く使って、変換して、目的を達成するという感じだ。厳密に言えば、永続効果があるカードがもらえたりするので、微妙な成長があるのだが、実質的にはほとんど感じない。拡大0に近いゲームだ。ひたすらに資源が足りない。リソースカツカツプレイスメントと言っている人がいたが、まさにこのゲームの本質を指している。

 2か所ほどはアクションの効果が固定だが、残りの3か所はトークンやカードがランダムでめくれるために、効果が毎ゲーム異なる。(少なくとも2人プレイでは)そのごく一部しかゲームに使用されないので、リプレイ性は高めだ。アクションプレイスの場所もランダムで、ボーナス得点の条件や必要リソースの条件が微妙に変わるようになっている。

 カツカツなのだが、アクションによって、リソースがほんのちょっと増えたり、上手く変換できたりする。それがアクションの連鎖に繋がった時は、かなり楽しく感じる。パズルチックではあるが、アクションの数に制限があるので、どんなに上手くやっても上限があるし、インタラクションもある。

 

 全体的に良く出来ているのだが、欠点もある。

 なんというか、カツカツなので、逆転の目が全然ない。上手くいかなかったという感覚は、未熟ながらにも感じられるので、上手くいっている人の隣で死んだ目をしているみたいなことに容易になってしまう。

 また、拡大再生産ではないので、後半に強いアクションを一発撃って満足とか、自分のボードが完成していく姿にほれぼれするとか、そういうことは一切ない。

 

 総じて、人は選ぶが、細かい実装が良く出来ているゲームという感想だ。もうちょっと遊んでみて、リソースマネジメント周りの設計の良さなんかを確認したいと思っている。