「Aeon's End」のソロプレイ

 なんかもういいかなと思ったので、売る前に一通り楽しもうと思って、「Aeon's End」の全敵とソロプレイを行った。難易度減少ルールを全て使ったおかげで、余裕でクリアできてよかった。普通に面白く、不要なダウンタイムが発生しない分、ソロの方が楽しいまであると思った。

 まず、強化した自分のメイジが何度も行動できるので、普通に強い。次に自分のターンが回ってくる確率が高いわけで、それを想定した動きもしやすい。しかも、味方を~という文章を自分を~に読み替えるというルールがあるおかげで、より迅速な強化や強力なコンボをしやすくなっているのだ。これ、普通にデジタルゲーム化しても面白いだろう。実際、基本セットの分はデジタル化されていたような。英語だろうが、まあ、アナログでも英語だし、大した文章でもないので、面白さの方が勝る。

 協力型ゲームの塩梅というのは、非常に難しい。それぞれのインタラクションが強すぎると、アルファプレイヤー問題や、戦犯問題を加速してしまう。逆に降ると、マルチソリティアと揶揄されてしまう。多くの要素と同じく、その間にスイートスポットがあるわけだけれど、協力型の場合、それは非常に狭いように感じる。「Aeon's End」の場合、それはソリティアよりに触れており、苦楽を共にするぐらいしか、複数人でプレイするメリットがないように思えてしまう。

 敵のデザインはなかなか面白かった。ゲームにおけるエネミーのバトルデザインというのは、かなり根幹部分の面白さに寄与するのだけれど、力を入れられていることが少ないと思っている。しかし、このゲームにその心配は無用だった。『ゲージが溜まると連続攻撃してくる』『手下を増やして、強力な攻撃をしてくる』『強力なデメリットと少しのメリットを発生させる呪いを付与してくる』『カード取得を行う場を食い荒らしてくる』となかなか面白い敵がそろっている。ライフ、攻撃回数、手札&デッキ干渉、カード獲得干渉といったテーマのようで、それぞれ、ゲームのコア部分を生かすような設計となっている。無駄のない、良いデザインだと思った。カードゲームは、カード自身にルールを託せるため、気を抜くとすぐに複雑になり過ぎてしまう。それを制御する自制心と理性が必要だ。それを感じるデザインだった。

 しかし、新しい領域を開拓して終える一日は気持ちがいい。何かを研究しているという状態は、自分にとって心地よいものになりやすいのかもしれないな。きっと、それが好きなものであれば、虚無感を抱きにくいのだろう。有効に活用していきたい。