「オルレアン」の感想

 2回だけだけれど、「オルレアン」を2人対戦で遊んだので、その感想をまとめてみる。多くは「アルティプラーノ」との比較になると思う。

 

 まず、大きく「アルティプラーノ」と違うのは、チップ自体に得点がなく、最終的には共通ボードの争いとなることだ。僕は、「アルティプラーノ」がソロゲー感があると言われていることに納得がいかなかったが、「オルレアン」をやってわかった。確かにこれと比較するとインタラクションが弱いと思うだろう。建物を建てる場所を競り合うので、2人でもぴったり分かれるといった大きさなら、3人、4人となればかなり窮屈であることが想像できる。また、得点源が「アルティプラーノ」よりもかなり限られているため、最後のアクションで悪あがきできることも少ない。

 また、「アルティプラーノ」にのみ存在するコンテナの差も大きい。コンテナというのは、デッキ構築における捨て札束の役割を果たしていて、使用したカードや獲得したカードは一度そこに行くのと同じように、チップもまた、袋が空になるまで、コンテナに待機するようになっている。つまり、「アルティプラーノ」では、全てのチップを一通り使用することができる。袋の中のチップが増えても、巡りや偏りが激しくなるだけで、機能不全には陥りにくい。しかし、「オルレアン」では、これがなく、全てがバッグに入ってしまう。こうなると、引きに偏りが極端に出る時があり、何かを獲得してもずっとそれが出ないということもあり得るのだ。これのせいで、「オルレアン」はより運に左右されるゲームになっていると言える。一方、そのおかげで、深く考える必要性が下がっているとも言える。最悪、運が悪かったと思うだけなのだ。「アルティプラーノ」はそうはいかない。コンテナとバッグの中を考えてアクションをセットする必要がある。だからこそ、「アルティプラーノ」の方はパズルのようだとよく言われてしまうのだろう。

 最後に、倉庫、つまり、「オルレアン」でいうところの慈善事業が共通であることが挙げられる。「アルティプラーノ」の倉庫――チップをバッグから除去する手段――が個別に用意され、種別ごとの数でボーナス点数が入るようになっている。そのため、不要なものは軽い気持ちでバッグから取り除くことができるし、そのタイミングも自分の未来と相談するだけで済む。インタラクションは弱いが、自由度は高い。「オルレアン」はその逆で、慈善事業に置くチップやその報酬は厳密に決まっていて、しかも、共通である。そのため、競争が発生し、読み合いが発生する。やはり、インタラクションが強い方向に働いている。

 

 全体として、より運要素を強く、インタラクションを強くしたのが「オルレアン」という感想になる。しかし、バッグ構築でそれは正しいのだろうか。というのも、チップ構築、少なくとも「アルティプラーノ」や「オルレアン」は引いたチップを全てのプレイヤーが同時にアクションボード上にプロットするようになっている。これによって、ダウンタイムをとても短くしているのだ。しかし、現実にはそうならないわけで。つまり、他者のプロットを確認出来てしまう。インタラクションが強いゲームの場合、相手がAなら、自分はBといったような状況が多く発生し、プロットを隠す必要があるなど、余計な問題が発生するのではないかとも思った。まあ、結局は、好みなんだろうけれど。僕はどっちもかなり好きで、やはり、バッグ構築というシステム自体が好きなのだろう。「オルレアン」の拡張である侵略も買ったので、早くやりたいところだ。