カード獲得手法の違いにおける考察

 最近、いくつかのゲームをやっていてわかったことがある。例えば、「Slay the Spire」をやった。確かに面白い。面白いのだが、どうにもはまり切れない感覚があった。それに気付いた時、この感覚は「テラフォーミングマーズ」や「レス・アルカナ」、「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」と同じだとわかったのだ。そして、その理由も。

 まず、これらに共通する点は、カードプレイをメインとしたゲームであること。そして、獲得できるカードが、その寸前までわからないという点だ。これがどういうことかというと、その逆を提示するのがわかりやすい。たとえば、同じカードゲームで言うと、「ドミニオン」なんかはそうではない。「ドミニオン」はそのゲームで使用するカードが全種、最初にわかり、それを取得するのに在庫やコスト以外の問題はないのだ。しかし、「テラフォーミングマーズ」系は、カード数枚から1枚を選ぶという形になる。これが、どのようなことになるかというと、つまり、ゲームの最初に、どういった戦略で行くかが選択できないということなのだ。

 「テラフォーミングマーズ」で言えば、企業は都市系なのに、回ってくるのは動物系のカードだから、それをメインにしようとか、「レス・アルカナ」で言えば、黄金系のカードばかり回ってくるからそれで固めようとか、「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」なら、軍事系のディベロップが多いからそっちで行こうとか、そういう風になる。これはつまり、ゲームの最初やゲームを始める前に、今回は全体的にどの戦略で行くかを決められない。Aという戦略と決め打ちしても、結局、そのカードが手元に来なければ、そもそも選択肢にもならないのだ。

 「ドミニオン」や、カードというくくりとは外れるなら「オルレアン」や「アルティプラーノ」といったゲームは、最初にある程度道筋を立てられる。もちろん、その場その場の引きがあるから、修正を強いられることはあるのだけれど、それは修正というレベルで、ある戦略ができないとはならない。

 僕はこの差が大きいと感じている。前者の場合は、全体の流れや見通しを立てるというより、むしろ、部分最適を選んでいった結果として、最終的な結果がある。途中でどのようなカードを新しく引くのかわからないからだ。だから、いい結果になったとしても、それが各所の選択が正しかったのか、いいカードが引けただけなのかがよくわからない。後者の場合は、全体的な戦略の検証ができる。このサプライなら、この初期職業なら、この戦略は良かったのか、悪かったのかが一目瞭然だ。さらに、こちらなら、そもそもその検証のためのゲームプレイができる。

 どちらも、nターン目の選択が正しかったかなんてことは、ほとんど検証が不可能であると言える。だからこそ、全体的な見通しと、その成否がはっきりわかる方が僕は好きなのだ。そうでないと、なにが良かったのか、さっぱりわからないままになってしまうと思うから。ただの好みといえばそれまでなんだけれど。