デッキを構築する意味

 デッキ構築という仕組みが分離されるようになってきたと感じている。「ドミニオン」によって、デッキ構築自体がゲームになると判明してからというものの、他のTCG系のボードゲームに関しては、デッキ構築が分離されるようになった。「Smash Up!」において、デッキ構築はクラスを二つ選ぶという行為のみであり、ハーフデッキを組み合わせるだけだ。さらに海外でかなり売れている「Key Forge」はデッキをAIが組んでおり、それを直接買ってプレイするだけだ。自分で調整をすることすらできない。つまり、デッキ構築というゲーム前ゲームを楽しめなくても、実際のプレイだけで十分に面白いということなのだろう。ある意味、「オートチェス」の流れなどもこれに近いものがあるだろう。

 思うに、この流れはDCGが大きく関係していると思う。というか、インターネットの興隆とでもいうべきか。現代において、ある環境における最適なデッキ構築というのはすぐに解析されてしまうものになった。デジタル化によって、対戦回数がとても多くなったし、その情報を共有することも容易になった。そのため、すぐに最適解が導き出される。そのあとで、環境にあった調整があるっだけだ。だから、一般人としては、トップティアに近いデッキを検索し、自分が持っているカードプールから構築しやすいものを選ぶというのが基本だろう。これでは、デッキ構築をしているとは言えない。自由度が高いがゆえに、本当に強い組み合わせが簡単に見つけられてしまい、逆に選択肢がなくなってしまうのだ。ならば、最初からそのゲームがなくてもいいということなのだろう。それでも十分に面白いのだから。

 複雑なゲームの解析が進んできたという証拠なのだろう。