昼寝

 昼休みはいつも昼寝をしている。暇で不自由な時間は、思考をするかゲームをするか本を読むか寝るか、だ。しかし、昼休みは寝ることが多い。それは気分をリセットできるからだ。僕はどうにも寝ると機嫌と記憶がある程度リセットされるらしく、どんなに憂鬱で寝ていても、起きたらマシになっているということが多々ある。だから、午前と午後の労働を分割することで、正気を保っているというわけだ。

 今の職場に移ってから、昼休みは職場から離れなくてはいけなくなったため、近所のコンビニでずっと寝ていた。広くてレジとは違う階に休憩所があるという絶好のコンビニだったので、僕みたいな輩が集まって、良く寝ていた。いい場所だったが、僕みたいなのがいっぱいいたせいか、潰れてしまった。だから、最近は職場のあるマンションの共有スペースで寝ている。今日もそうしようとしたのだが、よく見ると、昼寝はご遠慮くださいと紙が掲示板に貼ってあることに気付いた。たぶん、共有スペースで昼寝をしているような奴は僕だけなので、実質名指しなのだが、気にせずに寝た。よく思うのだが、僕が寝ているのが迷惑だというのはわかるのだけれど、どうして僕がそれに従うと思うのだろうか。なんのメリットもなければ、強制力もないのに。まあ、こんなことをしている僕が非常識なのだろうな。非常識だからといって、何のデメリットもないので、そのままだけれど。よく思うと、僕は失うものがないんだな。だから、気にしなくて済む。大事なものがある人は大変だ。せいぜい、自分の立場を利用させてもらうとしよう。