アナログの強みの一つ

 アナログゲーム、ここでは、TRPGやボードゲームを考える。これらでした選択というのは、不可逆であると言える。なぜならば、証人が他にいるからだ。他のプレイヤーやGMがいる。彼らは僕たちの選択をみて、その結果をみている。都合が悪かったからと言ってやり直すことは基本的に出来ない。結果は、複数人による観測によって、固定されるのだ。僕はここに未知の体験が生まれる余地があると思った。実際に、僕がそれを考えたのは、TRPGがTRPGである利点を考えていた時であり、その時はまだいわゆるレガシーシステム(シールを貼る、ペンで記載する、破るといった物理的な不可逆さを持った)ボードゲームは流行っていなかったのだが、実際、これらは今、流行っている。それだけの強みと体験の新鮮さがあったということなのだろう。今の世代はデジタルネイティブであり、やり直せることになれている。やり直せないということ自体が貴重な体験であり、そこでしか語れない物語があるのだろう。

 僕はこう言った考えから、最近、シナリオありのキャンペーンが基本となったTCG風ボードゲームを創ろうと考えている。MTGのようなTCG的な戦闘が1話となっており、その経過や結果が次のゲームのデッキに影響して、2話目に繋がるといったことを数回繰り返し、最終的なエンディングへ向かうというゲームだ。次は、どうして、僕がTCG的なものにシナリオを組み込むと面白くなるのかと思ったかを、続きで書いていきたいと思う。