「アンドールの伝説」の伝説1~2の感想

 イージーモードではあるが、「アンドールの伝説」の伝説1と2をクリアしたので、現時点での感想をまとめたいと思った。

 

 まず、このゲームは協力型ファンタジーボードゲームの傑作として名高く、当然、僕もさほどボードゲームに詳しくない頃から知っていた。しかし、以下のような懸念があり、今までプレイせず、購入もしてなかった。

 

・RPGというよりもパズル感が強い。

・奉公問題が発生しやすい。

・シナリオタイプでリプレイバリューがない。

 

 このような感想を聞いていたので、なかなか手を出さなかった。確かに、これらの問題は非常に的を射ていると思う。実際にプレイしても、これらの懸念は事実だと言える。一方で、僕の家の環境ではさほど悪い影響はなかった。

 

・RPGというよりもパズル感が強い。

 →そもそも、パズル感の強いゲームの方が、僕も妻も好み。

・奉公問題が発生しやすい。

 →逆に言うと、思う存分相談でき(「スピリット・アイランド」のようにシビアで個々が忙しいタイプはそれぞれがソロをやっているような感覚で相談はしにくい)、最善手を探っていく面白さがある。

・シナリオタイプでリプレイバリューがない。

 →シナリオタイプでなくても、そんなに何度もプレイすること自体が少ない。現段階では拡張も多く出ており、シナリオが尽きる前に飽きる可能性の方が高い。

 

 懸念していたような問題は発生しなかったと言える。それよりも、

・絶妙なゲームバランス

 →緩いプレイをするとイージーですらクリアが困難だが、突き詰めると余裕すらあるような、絶妙な難易度設計。

・時間がかかり過ぎないようにするデザイン

 →敵を倒すと物語トラックというゲームオーバーへのカウントダウンが進むというシステムが画期的で、それにより、無駄な戦闘はそのままゲーム終了へつながる。そのため、力押しでなく、考えるプレイが求められる。

・強すぎない物語性

 →今のところ分岐があるわけでもなく、先が読めるシナリオではあるのだが、「指輪物語」をほうふつとさせるような、王道の物語がリプレイへの興味を惹く。

 という利点の方が大きかった。ゆえにお気に入りのゲームになり、最近、ちまちまと進めている。伝説5までやってなお好評の場合は、拡張も買おうと思っているほどだ。

 このゲームで最も革新的な実装は、敵を倒すとカウントダウンが進む物語トラックだ。これがなければ、敵を倒すほどに報酬がもらえるから、十分にレベルを上げてから進めるということが許されてしまい、難易度の調整が難しくなったり、プレイ時間が増加してしまう。実質的な撃破数に制限をかけたことによって、パズル感は強くなったものの、それ以外の要素が格段に良くなっている。

 

 しかし、一番の発見は、シナリオの優位性かもしれない。大したものでなくとも、あると先が気になり、ゲームを進めようという気持ちになる。やはり、人間は物語を求める動物なのだ。そう思った。