考えがまとまらないことに関して

 

 改めて考えて見たのだけれど、どうすればいいのかがさっぱりわからない。ここ10年ぐらいは常に目的地を見失っていて、荒野を彷徨っている間に時が過ぎさってしまった。

 単純に毎日が死にたくなるほど暇で、しかも、目指すべき場所がないという目的の無さが気力を奪っていく。

 幸せとは、手に入れることが出来ない目の前のニンジンであって、それがないのにただ走れと言われても、脳が拒絶してしまう。何が僕にとってのニンジンになるのかが未だにわからない。幸福を感じられる状況を目的にし、未来を考えないようにすることは、死の恐怖と戦う武器にはなるのだけれど、状況が目的なので、それは目的地になり得ないし、そもそも、未来を考えないのであれば、目的地は存在し得ない。しかし、僕は基本的に目的地があり、そこに最短で確実に向かう道を見つけるのが得意なタイプの人間で、そういうことばかりに脳を使ってきたから、目的地がないという状況に慣れていない。それ自体にも恐怖を感じる。虚しくも思う。

 結局、理屈を固めても体感が変わることはないから、前と同じように恐怖や虚無感を抱いているのだろうな。まあ、ああだこうだ考えても無駄だってことはわかっているのだけれどね。僕の脳は物理的に存在しているのだから、あとは法則に従って動き、止まるだけだ。それを変えることなんて、僕には出来ないのだから。それを無理に幸せだとか、素晴らしい世界だとか思い込むなんてことはしないよ。そうは思えないのだから。自分自身にまで嘘をついてしまったら、何がしたいのか本当に意味のわからないことになる。だから、ただ僕は虚しいし、くだらないし、飽き飽きしたと呪詛を吐き出しながら死ぬだろう。というか、そうとしかなり得ない。