自然保護主義

 「アバター」観に行きたい気持ちはあるのだけれど、同時にめんどくせーという気持ちもかなり強い。なんか、話の基盤に自然保護主義があるのが嫌なんだよね。いや、僕も実際、自然保護主義なんだけれど、それはあくまで、人間のエゴとして、そうである、という感じなのだ。

 単純に、ちょっとした経済的な利益よりも、多様な動物相、植物相を維持した方が利益が大きいと思っている、というだけなので、社会的な要請が強い場合には破壊もしょうがないと思っている。自然保護も自然破壊も、結局は人間の都合でしかなく、人間のエゴでしかない。

 そもそも、別に地球が死の星になってしまったとしても、それは別にどうでもいいというか、まあ、何度も(隕石が落ちて来て、とかだけれど)そうなっているわけであって、今回はそれが人間という1動物種によるものだ、という違いはあるけれど、大きな差はない。おそらく、生物はそれでも生き残ってしまうし、もし、絶滅するのならば、それはそれでいい。どうせ、地球は爆発し、宇宙は凍えるのだから、意味はない。

 可愛くて頭の良い動物が苦しんでいるのが耐えられない、という気持ちもわかるけれど(僕だって嫌だし)、その気持ちをどうして、他の人間に分けてやらなかったんだ! とはなるし。他の動物種の精神的な苦しみを気にするのは、苦しんでいる人間が一人もいなくなってからで良くないですか?

 まあ、なんか、結局西洋(キリスト教)的な価値観が透けてるから、好きになれないんだろうな。人間は神に選ばれた特別な存在であり、そのために自然界は存在するという倒錯的な価値観があり、それを是正するための自然保護なので、結果として歪んでいる、というか。科学的価値観が一般的な社会に生まれたかったよ……