2022年の映画館でみた映画

 全体的に小粒だったような印象が? ちょうど、コロナ禍で撮影された映画が出てきたという感じなので、色々とあったのかもしれない。

 

 

スパイダーマン/ノーウェイホーム

 ようやく、観ることができた! 流石に面白かったし、期待を裏切らなかったけれど、完璧かというと、そうでない感じが強い。やっぱり、マーク・ウェブ監督とあまり気が合わないような気がするな。とはいえ、ファーフロムホームとかよりは全然良かった。楽しかったです。

 

ウェスト・サイド・ストーリー

 絵のレベルの高さは流石。とはいえ、長いことには長いし、価値観がアップデートされているとは言え、基本的な構成の古さは隠しきれない。教養として履修する場合の選択肢が増えた、という感じかな。元の奴をあまり覚えていないから、比較は明確にできないんだけれどさ。

 

・THE BATMAN

 かなり良かった。期待よりもちょっとシュールギャグ(?)っぽさもあったが、とにかく映像が最高。グレイグ・フレイザーの映像は最高以外の何物でもない。続編にかなり期待ができる。個人的には、次回作のヴィランはアッシュで、最後にジョーカーを持ってきて欲しい感じはある。DCUの混乱からも一歩身を引いているようだ。何とか生き残ってくれ~!

 

・モービウス

 ケヴィン・ファイギがいないMCU。つまり、虚無ということです。ヴィランなどは悪くなかったが、変に主人公をダークヒーロー的に描こうとしていて、しかし、振り切れてもおらず、まあ、どうしようもない、という感じ。このまま、スパイダーマンのマイナーヴィランたちを映画にしようとしているけれど、本気なんスかね? 途中でコケて全部中止ってなる未来しか見えないが……

 

・ナイトメア・アリー

 一種、寓話的な話の展開。しかし、演技や演出が非常にレベルが高く、かなり楽しめた。まあ、楽しめたというと語弊のある作品ではあるけれど。流石のデル・トロ。ゴシックホラーの風味はあれども、最終的には人間の愚かさ、どうしようもなさが浮き彫りになるような作品で、それもまた古典的とも言える。一見の価値はある。

 

・ファンタスティック・ビースト/ダンブルドアの秘密

 これはもう駄目かもわからんね。脚本がちぐはぐでまとまりがない。そもそも、ハリー・ポッター前日譚をニュート・スキャマンダーでやるっていう仕組みに少し無理があるんだよな。魔法生物を上手く絡めようとしているのだけれど、あまりうまくいっていない。さらに、時代性も入れようとしているけれど、原作者がそもそも時代に取り残されて、狂気的な母親主義者になってしまっているので……次回作は順当に言っても日本が舞台の一部になりそうで期待していたけれど、そもそもやらなそーで残念。

 

ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス

 カメオの周りは割と予想通りだったけれど、クライマックスの流れは予想外だった。サム・ライミ風味はよく機能しているところもあるが、相性が悪いところもあり、といった感じだったか。スカーレットウィッチ周りの話は、ある意味、「ワンダヴィジョン」の出来の悪さのフォローに入っている。逆に言えば、そちらに時間を取られて、ドクター・ストレンジとしても面白さは並み以下であるように感じられた。もちろん、駄作の1よりは断然良いけれど。

 

・シン・ウルトラマン

 思ったよりも全然良かった。ただ、「ゴジラ」を震災後の日本に見立てて再構成した「シン・ゴジラ」に対し、こちらはマジで「ウルトラマン」を現代リメイクして、しかも、ウルトラマンオタクに向けて作った、みたいな話なので、ウルトラマンや、それがテーマにしている内容に興味がないとちょっとアレな作品かもしれない。部分的に前時代的な部分も目立つのだが、そこに忌避感を覚えつつも、全体的にはかなり良かった。妻がウルトラマンオタクということもあり、僕自身もそれなりにウルトラマンを追っているので、より良く感じられる部分があったのだろう。

 

トップガン/マーヴェリック

 今年、一番世間とのギャップを感じた作品。確かに良く出来ているとは思うのだが、普通に良作ぐらいのレベルではなかっただろうか? 少なくとも、特筆すべき作品であるとは全く感じなかった。「トップガン」の方がまだ観る価値のある作品だと感じる。トム・クルーズにあまり興味がないからなのかな? ほとんどピンと来ず、最後まで行ってしまった。次回作があっても観ないだろうな。

 

・ソー/ラブ&サンダー

 確かに、あまり手放しに褒められるような出来ではなく、特に中盤辺りは割とひどいと思う。思うに、ジェーンの癌周りの話と、子供関連の話のせいで、監督お得意のギャグとシリアスの使い分けが上手く出来ていなかったように思う。しかし、そのくびきがなくなったクライマックスはかなり良く、特にエンディングのタイトル回収で涙が流れてしまった。何故だかわからないが、あの周りの流れは非常に素晴らしいと感じられたようだ。また、ヴィラン周りのモノクロの演出もかなり良く、素晴らしかった。

 

・すずめの戸締まり

 全体として完成度は高かったが、個人的な好みとして「天気の子」は超えられなかったという印象。自己犠牲ではなく、ちょっとした親切が世界を救うのだ、という裏テーマや自己救済という話があると思うのだが、現実の震災を取り扱っているという部分に気を取られて、あまり話に出ていなくて、疑問に思っている。そこが本作で最も革新的な部分だと思っているので。現実の震災を取り扱っているけれど、3部作の中で最も観念的なものを扱っていて、実はテーマ的なので、それを汲み取れる人じゃないとよくわからない金のかかった映像、という風にしか思えないかもしれない。

 

ブラックパンサー/ワカンダフォーエバ

 まあまあ好きだけれど、全体としてはあまり良い出来ではなかったかな。時代のブラックパンサ―に関しては、不慮の事故によりそうなったけれど、こっちの方が時代性があるので、結果として良かったかもしれない。ネイモア周りもまあまあ良かったけれど、話の流れが上手く嚙み合っていない感じはした。カメオ周りは、意外性と当然性を兼ね備えていて、本質的なテーマと噛み合っているし、かなり良いと思った。ただのサービスであるドクストとは対照的だ。こういうカメオがいいよね。ノーウェイホームのゴブリンもその点はかなり良かったな。

 

・ブラックアダム

 あんまり期待せずに行ったから、結構楽しめた。あのミスリードも良かったとは思う。結構バレバレではあったが、その捻りがあること自体に意味がある。とはいえ、ブラックアダムという作品なのに、ブラックアダムが出ているシーンがあまり面白くない。特にギャグ周りが。ドクター・フェイトがかなり良く、めちゃくちゃ良く、むしろ、ドクター・フェイトで一本やって欲しかった。ああいう感じだったけれど、DCUがめちゃくちゃになったので、むしろ、ドクター・フェイトがワンチャン出てきた。新生DCUの中核メンバーになってくれ。

 

 

 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」がようやく来てくれてよかった(まだ根に持っている)。MCUが不調だし、そもそも、洋画があまり元気がなく、日本での興行収入もちょっとアレみたいね。洋画派にとっては厳しい限り。とはいえ、来年や再来年は割と注目作が目白押しなので、休憩年と割り切りたいところ。これからは、「オッペンハイマー」やスパイダーバース次回作、DUNE続編などがあるので。

 今年の3作品は、「THE BATMAN」「ナイトメア・アリー」「すずめの戸締まり」かなぁ? とはいえ、これらが昨年の3作品に匹敵するかと言われれれば、個人的にはかなり見劣りしてしまう。やはり、あまり豊作とは言えない年であった。