真剣さ

 ストイックだと言われれることがよくある。僕は自身のことをちゃらんぽらんだと思っているので、個人的にはこのような評にはあまり納得がいっておらず、どうして、そう思われるのだろう、とたまに思っていた。しかし、最近、色んな人にあったことによって、もしかしたら、このせいなのではないか、ということに思い至った。僕は他人に期待せず、他人のせいにせず、自身で立ち向かうということを基本にしていることだ。

 というより、僕の感覚としてはむしろ逆で、なぜ、皆はそんなに人々に期待するのだろう、と思ってしまう。あのようなことをしているのだから、自分にもそうしてくれるはずだ。自身がこのような恩賞を与えたのだから、それに値する何かを返してくれるはずだ。そういった期待が、自身の甘えに繋がっていく。結果として、自身の不幸や技量不足を他者のせいにしてしまう。そうなると、上達が止まってしまう。情熱がなくなってしまう。そうなりたくはないのだ。

 他者は他者であり、他の人がその気持ちを慮ることは本質的に出来ない。脳が異なるので、それによって再生される事象(端的に言えば意識のようなもの)も異なる。自身の都合の良いように動いてくれるはずがない。自身でできる範囲で、自身のできる限界まで努力するしかない。それだけの価値がある、と自身で感じたことに関しては。

 他者の動きや助けに関して、文句を言っても何も始まらない。

 ただ、それは、全てを自分のせいにするのとは異なる。もし、失敗したとして、それが全て自身のせいかと言えば違う。単純に偶然、手痛い失敗をすることもある。その点を悔やむ必要はない。ただ、自身が自身の技量を全力で発揮していないのならば、自身のせいかもしれない。それを省みる必要はある。

 確かに、見返りを求めずに動き続けるのは難しいかもしれない。しかし、難しいのであれば、それは、その程度のものだったのだ。他のものに執着することを考慮してもよいかもしれない。