継続の価値

 継続することの価値を見誤っている人が多いな、とこの間感じた。僕はすごい人が継続して活躍すれば、ほぼ必ず恵まれる、という考えを持っているのだが、それは、それぐらいすごい作品を出していれば、勝手に誰かが見つけて、宣伝してくれる、と思っているからなのだ。つまり、打席を増やすことが大事で、そうなると単純に点数が入る確率が上がるよね、という感じ。

 でも、世間的には続けることで経験値が増えていく、レベルが上がっていく、みたいに思っている人も多くて、単純に数だけ出したり、あるいは、数を出して実力が上がらないことに勝手に絶望する人もいる。そうではなく、腕を上げることは別にしなければいけなくて、それはそれとして、打席に立ち続ける必要があるのだ。それは、単純に幸運に巡り合う可能性を高めるために。

 そんな報酬のないことを続けてられないよ、と思うかもしれないのだが、実際にその通りだ。ホームランを出したい、ということが目的になっていて、そのために打席に立ち続けるのは難しい。だから、単純にバットを振るいたいとか、腕を磨きたいとか、そういう理由で続けられるものだけ、研鑽と発表を繰り返せば、そのうち、報われる可能性が高い。そういうことだと僕は思っている。

 実際、生きてきてもそう感じるし、歴史や周囲の人を見てもそう感じる。まあ、続けられるものは、続けようと思わなくても続くものなので、結局、続くわけだが。人間に自由意志なんてないんだから、気軽にやりたいことをやり続ければよいのだ。