内輪が苦手

 なんというか、昔から、グループというか、内輪というか、そういうものが苦手だ。個々個々が仲良くしているのは全然いいし、緩く繋がりがある、という感じは好きなのだが、複数人(4~10人ぐらい?)が作っているグループが苦手なのだ。これは子供の時からそうで。想像がつくように、子供の世界でそれは結構つらいことでもあるのだが、でも、どうにも苦手だ。そういうものに属するのが苦手だし、それを見ているのも正直、きつい。

 個々の意識を軽視しているように感じる、というのが一番大きいと思う。たとえば、そのグループでどこかへ行くとか、何かを食べるとなった時に、これぐらい人数が多くなると、完全に意見が一致するようなことはないはずだ。統計的には。そうなると、誰かしらが少し嫌な顔をしていたり、我慢していたりする。そういうのが嫌なのだ。そういう人の隣にいって、僕と何か別のことでもしますか? と言い出したくなってしまう。

 そう考えると、これはかなり社会的に不適合な性質だ。実際、会社の部署、あるいはその中でも仲の良い何々グループみたいなのも、かなり苦手で、うげーってなってしまう。ワーキンググループみたいに、ドライで、繋がりが薄い感じは好みである。まあ、だから、日本的な組織が好きじゃない、とも言えるのかな。

 

 学生時代も(特に歳を取るにつれて)何かしらのグループに属しているわけではなく、それぞれのカーストに1~2人ぐらいよく話す人がいる、という感じだった。つまり、修学旅行でグループを作る時に、余りもの枠として空いてるところにちょこんと流されるか、残り物たちで組む感じだった。そういうの、嫌いじゃなかったな。それぞれが好き勝手にする感じになるから。

 

 宗教が好きじゃない、その生理的な嫌悪感に近いものを感じる。おそらく、個々という実体を蔑ろにして、概念的なものに献身する姿が似ている、と感じられるし、そういうものを嫌っているのだろう。長やリーダーみたいなものがいる、という部分もおそらく苦手な箇所だ。そう考えると、アイドルやVtuberみたいなものが嫌いなのにも近いんだろうな。

 なんか、たぶん、原始時代に、主要なグループから外れて、数人で細々と限られた資源で厳しい環境を生き延びてきた遺伝子みたいなのが活性化しているんだと思う。そういう状況の方が、全然楽しいんだよな。大きな組織に属しているよりは、過酷な環境だとしても、一人一人が独立して、自分の好きなことをやっている方が性に合う。それは非合理で、めちゃくちゃ効率が悪いと思うけれど、個々の気持ちを蔑ろにされるよりはましだと感じてしまう。生来の個人主義者なんだろう。