発想に関する研究

 ブレインストーミングは標ぼうされているほどの効果がない、という研究がある。何かを検討する時、複数人で取り掛かるよりも、個々がしっかりと考えてきた方が良いということらしい。これはまだ研究途中のものであって、仮説も多いものであることは断っておく。しかし、実体験としてもそうだ。

 何かを考えて、欠点や改善点を上げている時、複数人でいると、思ったような成果が上がらない。複数人を拘束しているのだから、時間コスト(人件費と言ってもいい)は数倍かかっているにも関わらず、だ。むしろ、あとで一人で考えている時の方が良いアイデアが浮かんで、物事が解決できたりもする。

 また、大量の思考時間が必要だとも思っている。15分を10回積み上げるよりは、150分を1回積み上げた方がいい。やはり、マインドセットに時間がかかっているのだろう。15分考える時は、今まで考えて居たことを思い出したりするのに10分ぐらいかかっていて、実際に前進しているのは5分ぐらいなのではないか。

 さらに言えば、詰まりに詰まった時しか得られない突破口というものが、やはり、存在するように思える。問題を一つ一つ挙げていき、それが全て机上に乗り、その問題点を考え尽くした時にしか見えない解決法というのがあるのだ。

 僕もいくつか一般的には発見されていないが、僕が発見した解決法というか、ノウハウのようなものを持っているが、これらはほぼ全て、本当に苦しい思いをして、何時間もずっと考え続けた先に得ることができたものだ。天才はどうなのか知らないが、凡人にできることは、これだけなのだろう、と思う。考え続けるのだ。

 僕だって、本当は、誰かに答えを教えてもらいたい。何となく考えるのは楽しいが、答えが見えないことを延々と考えるのは苦しい。しかし、誰も教えてくれないので、考え続けるしかない。でも、それが武器の一つになるのならば、結果としては得をしているのかもしれないな。