動かずの三次方程式

 ただただ退屈で疲れる。退屈をしのぐ方法はいくつかあるが、結局、疲れることばかりなので、嫌になる。

 つまりは、カンフル剤が切れているのだろう。何か、面白いと思えることがあるうちはいいが、それに慣れてしまって、さほど集中できなくなってしまうと、いつもこうなってしまう。とにかく、疲れる、という気持ちが先行する。

 自分の中に対した望みがないことがだんだんと明らかになっていく。疲れずに、退屈せずに、この人生を延々と続けられればいい。全く大したことがないようで、大いに傲慢とも言える望みだ。少なくとも、社会が人々に向けて要求する事項と合致はしていない。コストを過敏に算定する理性と、飽きやすい性根と、死を恐れる気持ちがその望みを成立させている。どれか一つでも欠ければ、それなりに解法がある気がするのだが、その三方に囲われてしまうと、互いが互いを押さえつけて、頑固にロックされている気がしてならない。何か、これらを満たす解が存在するのだろうか。解くのは難しそうだ。