スローモーション

 実家に帰った時に、運動している間が暇すぎて困るという話をしたら驚かれた。とにかく、体を動かしている間、脳が暇でしょうがないのだ。よく考えると、これは、別に体を動かしている間に限らず、何か作品に触れている時とか、仕事をしている時とか、まあ、いつもということだ。

 暇で暇でしょうがない。有り余った処理能力をどこに向けていいのかが分からない。退屈過ぎて嫌になってしまう。授業とかも、それが嫌で、どうしようもなく合わなかった。唯一、楽しいと思ったのは予備校の授業を倍速でやることができていた時があって、その時、初めて授業が楽しかった。とにかく、全てを集中し、手も淀みなく動かさなければ、瞬く間に置いて行かれる。そうなると、楽しさがある。世の中の速度は、全部それぐらいになって欲しい。放映系の媒体は全部倍速で合って欲しい。ゲームスピードも倍速であって欲しい。考えている時間で埋め尽くして欲しい。考えるのは疲れるが数少ない楽しいことの一つだ。