死にたがりの鳴き声

 死にたがりの人が死にたがってますよーって合図を出しているのは、どういう魂胆なのだろうね。いや、結構身の回りにいて、地味にコストがかかっているんだよね。別に縁を切れる相手ならばいいのだけれど、家族とかだとそうもいかないので。

 なんというか、弱いのかな、と単純に僕は思ってしまう。僕だったら、本当に死ぬ時はあっさりと死ぬでしょう。そろそろ死にますよ、と誰かに伝えることはない。嫌味のように言うことはあるかもしれないが。

 何が正解なのかもわからないし、どうして、そういうことをするのかが全くわからない。人間、誰しも皆死ぬのだから、好きなタイミングで死ねばいいと思うが、死ぬ死ぬ言っている人が隣にいたら、大丈夫ですか? と声をかけなくてはならないでしょう。そういう人の負担も考えて欲しい。いや、考える暇もないから、死にたいのかもしれないが。死ぬならもっとあっさりと死ね。

 老いた猫のように死ぬのがベストだろうか。まあ、僕は死ぬ死ぬいうことも、さっと死ぬこともなく、死にたくない死にたくないと呪詛のように呟きながら、死んでいくんだろうけれど。