独学

 何かを始めたい、と言って、それを始める準備のためにと専門学校の案内などを見ている人を見ると、今すぐに自分で始めればいいのに、と思ってしまう。

 インターネットがなかった時代ですら、図書館で本を借りれば割とどんなことでも学び始めることができるし、今や、良質な動画コンテンツすら無料でいくらでも漁れる時代であり、パソコン一つあれば、大抵の(インドア)分野の環境は、ほぼ無料で揃えることができる。後は、自身がやるかやらないか、だけだ。人から学ぶのは、自分だけでは限界があると感じてからでもいいのではないか、と思ってしまう。

 考えてみれば、自分はかなり独学主義であって、人から教えられるよりも自分で学んだ方が早く、正確であり、身に付く、と思っているようだ。人から教えられると、教えられたことに安堵してしまい、自分で考えなくなってしまうことが多い。そして、考えていないことは、できやしないのだ。世間的な考えとは異なり、『教える』こと自体にはかなりの学習効果があると考えているが、『教えられる』ことにはあまり学習効果がないのではないか、と考えている。

 まあ、ただ、実際のところは、独りで学ぶ方が、自由度があり、人と接触する機会が少なくなるから、自分に向いているだけのような気もする。今のところ、塾や予備校というところに通わずに、独りで勉強してきて、それで十分な成果を得られた、という経験も大きいかもしれない。ああいうのは、学んだ気になるために、教わっているようなものだ。しかしまあ、こういう小さなところにすら、自身の傲慢さが滲み出ていて、我ながら少し辟易とするな……