消える人間関係

 人間関係リセット癖みたいなワードがトレンドに入っていた。昔は自分も人間関係をリセットするタイプなのかもとも思っていた。学年や学校が変わると基本的に人間関係が維持されなかったからだ。でも、よく考えると大きく異なっていた。

 単純に、利益関係で結ばれた関係は利益関係がなくなると消えてしまうというだけだったのだ。会社を辞めれば同僚との繋がりがなくなるのと一緒であり、クラスメートや学校関連で繋がっていた人々は、その狭い範囲で行動する時にいるとお互いに利益が得られるから一緒にいただけ。だから、場がなくなれば、関係もなくなる。維持コストを支払う必要がなくなってしまうからだ。

 逆に言えば、その程度しか関わり合いたくない人と長い間一緒にいたということであって、今の学校制度というものの良し悪しについて考えてしまうよな。まあ、基本的に良くないよな。偶然、空間と時間が近かった子供たちが集められるだけなんだから。大学なんかは、学部とかあるし、かなりマシな集団が形成される可能性が高かったように思える。ただ、色んなものが未形成な時期に、一定以上価値観が近しい集団をつくること自体が難しいし、それが後々に良い影響を与えるのかどうかも難しいんだよなー

 まあ、でも、そういうしょうがなくつくられているもので、大した価値がないものだからあまり気にしなくていいよ、ということを伝えた方が、先生や保護者含めた大人も、当事者である子供にも利益があるような気がするけれど。当時子供だった僕を、今の僕が教え導いてあげたいという気持ちがたびたび沸き上がってきて困る。