一般的な価値観というカルト

 実家からそれなりに手に入れるのが面倒なものが出てきて、特に欲しい人がいなさそうだから、貰うことにしたんだけれど、その時に母が怨霊が付いているかもしれないから手放したら、というような旨を言うもんだから、笑ってしまった。

 なんというか、サンタさんが入れないから、煙突は塞がない方がいい、と言われたような牧歌的な雰囲気であると同時に、そんな歳になっても、そんなものを信じているのかという空恐ろしさを感じた。

 神とか幽霊とか魂とか運とか占いとかを信じている人間が本当に多すぎて辟易とする。そんなもの、あるわけがない。

 まず、第一に、確かにわかっていないことはある。現代科学にも限界はある。だからといって、古来の妄想が正しいということにはならない。実際、万有引力は誤っていたことが明らかになり、より広い領域で正しい答えが導き出せる一般相対性理論に置き換わった。しかしながら、一般相対性理論が古代から受け継がれた伝承であるはずもない。もし、魂に類するもの(ないとは思うが)が発見されたとしても、それは日本語の魂でも、soulでもない何かであることは間違いない。

 次に、それでもわかっていることはある。神の存在なく、生命は誕生しうることが明らかになっているし、運や占い、神を人間が信じやすいことも明らかになっている。意識の度合いを数値化する研究も進んでいる。そのどれもが、馬鹿馬鹿しい過去の妄想を否定する結果になっている。

 そういったものを信じるのは勝手だが、それはカルトと変わらなく、それによって実害がこちらに及ぶのは止めて欲しい。