レアケース

 古い家をもらえるかもしれないので、それを改造して住めるかもしれない件が進みそうなので、軽く調べているのだけれど、世間一般が求める家のイメージと自分たちがイメージするものがかけ離れすぎていて、難航している。

 子供がいないから、間取りを後で変える必要もないし、誰かに残すつもりもないので、汎用的な価値を残す必要もない。素材にこだわる必要はないし、誰かに観られた時にモデルルームみたいだと言われて、優越感を味わう必要もない。そもそも、自分たち以外の人は滅多に呼ばない。

 必要なのは、とにかく、日常を低コストで過ごせることであり、そのためにリフォーム自体のコスパを抑えることであり、そして、あまりにも膨大に必要になるディスプレイと収納スペースである。

 フィギュアなどの造形物が好きな妻のためには、ガラスのディスプレイが大量に必要になるし、ゲームや本を好む僕のためには、大きくて頑丈な本棚がめちゃくちゃ必要になる。それ以外は、必要十分でいいのだ。こだわりがない。

 しかし、その様な事例が調べても全然引っかからない。オタク、家を持たないのか? それとも、家を持つということは、子供・犬・DIY(うろ覚え「トレインスポッティング」冒頭シーン語録)を欲しがる、ということなので、そういった趣味を捨てる、ということなのか? 単に調べ方が良くないのかもしれない。

 人と同じような道を行かない、ということはニッチなので、それだけの利益を享受することができることもあるのだが、前例がないので、単純に困る、ということもある。