尻尾喰らい

 どうして、シナリオやシステムにこれだけ執着するのだろう、と感じていた。別にそれを生業としているわけではないし、そこに憧れを感じてもいない。単純に、ただ、面白さの理由を知りたいと思っていて、たとえば、3億円当たったとしても、それをずっと考えているだろうし、世界にたった一人になっても、一週間後に世界が滅びることになっても、特に変わらないという感覚がある。

 その理由について、深く考えてみたのだが、おそらくこれだ、という理由が一つ見つかった。これは逆説的なのだが、僕が興味を持っているから、だと思う。つまり、僕は僕が興味を持っているものを理工学的に解体することによって、自分自身を理工学的に解体したいという欲求を持っているのだ。自分自身に対して、興味を抱いている。自己愛の結果として、面白さへの追及がある。これは円環構造になっていて、つまり、自身が興味を持つから、興味を持ち、さらに興味を持つようになるので、その度合いが限度なく高まり続ける。これが僕にとってのエンジンにあたるものだと思われる。これを断ち切るには、自分自身に対する探索・解体欲求がなくならなければならず、僕にとって、それは他の多くのことよりも、かなり優先すべき事項だと考えられているようなので、かなり安定的で強力な欲求となっているのだろう。そして、自己完結しているがゆえに環境などに左右されず、延々と興味を持ち続けることができている。

 なんというか、本当に独りよがりな人間なんだな。まさか、趣味まで自己中心的なものが根源にあるとは思わなかった。