差分がわからない

 その曲良く聞いてるね、その歌手好きなの? みたいなことを言われたのだけれど、考えてみると、その曲は好きだけれど、歌手は好きではない、ということが多いことに気付いた。その歌手の代表曲みたいな数曲が好きで、他はあまり興味が持てないこということが多い。

 なんというか、皆、似たような曲になっちゃいません? もちろん、そうでない、素晴らしい才能を持った人も山のようにいるけれど、基本的にはいくつかのバリエーションの派生、という感じにしか聞こえないことが多い。そのバンドの十八番のパターンが数種あり、その派生、発展系というように感じるのだ。

 だから、バンドが好き、という場合、QUEENのように作曲者が複数いる場合が多い。この場合、興味をひきやすい。逆に、バンドから音楽性の違いなどで脱退者が出ると、あまり好きではなくなることが多い。その違いこそがスパイスとなって、そのバンドを好きでいられた理由であることが多いからだ。

 どれも同じに聞こえる以上、有名な曲は、そうなるだけのキャッチーさや完成度があるわけであって、そういう曲ばかり好きになってしまうのだ。ゲームやアニメで使用されていた曲が好きになることが多いのも、その情報が加算されている以上、他の似たような曲より優れていると感じるのだろう。やっぱり、象徴化がいけない気がする。機微を感じ取れない。違いの分からない男。