運命を信じるか

 運要素が高いものをあまり楽しめない気質だ。特にランダム性が剥き出しになっているものほど興ざめしてしまう。シンプルな例で言うならば、ギャンブルとか。

 でも、これらは人々を魅了することも多いので、何でなのだろうな、ということを考えていた。

 検討の結果、これらを楽しむことができている人々は、ランダムがランダムであると思えていないからなのではないか、と思っている。つまり、(本来の意味の)運だとか、ツキだとか、そういうものを信じていて、要は、そこに因果関係を感じている。だからこそ、今回は1の目だったから、次は6の目に違いない、というような予想をする。そして、それが当たっていたり、外れていたりするから、面白いのだろう。

 予想ができないものほど面白くないものもない。映画や小説といった物語でも、よほどの理由がなければ、何も関係がない展開が唐突に表れるのが一番嫌われている展開だ。夢オチとかね。ご都合展開もそれに近い。だから、ちゃんと因果関係を重ねていき、予測可能であったが、思い至らなかったという展開にする必要があるわけだ。

 エンターテインメントというのは、根っこが同じようなところがあるから、色々と応用が利く気がしている。それゆえに読まなければいけない本が無数に存在するわけなのだけれどね……