「モンスターハンター」の感想

 映画の「モンスターハンター」を観てきた。感想は色々とあるのたが、ネタバレとかになってしまうので、簡単で、大したネタバレではない部分から。

 

 まず、予告でもわかるように、この映画は、アメリカ軍人がモンハン世界に行ってしまうという話になっている。そして、まあ、誰しもがわかるように、モンスターに襲われるが、手も足も出ない、ということになるのだけれど、そこへの持って行き方が面白かった。

 第一に、軍人が無駄に生き残ったりするんですよね。まあ、この軍人たちがただの餌であって、主人公だけが残るだろうっていうのは、皆わかっているわけですよ。こういう時に、凡人ならば、軍人をぽつぽつ殺していくと思うんですよね。つまり、ちょこちょこ殺していく方が、緊張感が保たれると考えるわけ。誰が死ぬんだろうって。

 でも、愛着のあるキャラクターならまだしも、20分前に知り合ったばかりのただの軍人に肩入れする人なんてほとんどいないわけで。つまり、ピンチになるけれど、それを乗り越えていった方が面白いんですよ。あれ、予告に出てないけれど、皆生き残って、どこかで待機しているみたいな話になる? みたいなメタ予想になる。全員生存ルートをちらつかせる。

 そこで、ばっと殺す。一気に行く。どんどん殺していくとしても、テンポよく殺す。そして、いや、こいつだけは生き残りそう、とかちょっと思わせる。そして、殺す。そういうテンポが大事なのだと良くわかった。メタ予測、スキーマの使い方の上手さだ。

 厳しい系の話(まあ、「進撃の巨人」のヒットで増えたアレ)とか、デスゲームとかで、犠牲者をちょくちょく出す(そして、殺されるための要員のちょくちょく補充する)っていうのは、凡作で死ぬほど見たと思うのだけれど、別に緊張感ないんですよ、これ。だんだん死ぬ話なんだから、だんだん死んでも新鮮味はない。だから、折を見てまとめて殺す。考えてみると、「ダンガンロンパ」とかの傑作だとちゃんとやってるんですよね、これ。次は誰が死ぬんだろう、とか考えていると、二人まとめて死んだりする。まあ、1の時に好感度が高い人物から殺していったのは有名な話だけれど。「ダンガンロンパ」の1の最初の事件で、あいつが死んだら続きをやろうと思っていたら、そいつが死んだので、最後までやったのは、自分だけではないと思う。

 

 まあ、B級アクションみたいな作品のモブ殺しという一点だけみても、ベテランはやっぱり、しっかりしてんなーと思ったという話。勉強になりました。