エンタメの本質

 Yahoo!ニュースか何かで、「呪術廻戦」の作者が、盛り上がるためならキャラクターを殺すのも辞さない(?)みたいなことを言って、賛否両論になった、みたいな記事を読んだのだが、何言ってるんだ、こいつら、と正直言って思ってしまった。

 物語が盛り上がるためなら、キャラクターを殺すのは当たり前の話だ。

 キャラクターは物語を構成するために生まれてくるのだから。

 プリンターの主要な役割は紙に印刷することです、というぐらい当たり前の話で、それに賛否両論とか、正直、言っている意味がわからない。もちろん、プリンターを漬物石に使っている人とか、電子部品のパーツ取りに使っている人とか、インテリアとして使っている人もいるだろうけれど、プリンターというものは、紙に印刷をするために設計されたものだ。

 それと同じように、物語のキャラクターも、物語を盛り上げるために設計された概念だ。それに殉ずるのは当たり前の話で、何言ってるんだ、こいつら、と驚いてしまった。

 どうやら、そういう意識ではない人間がいるようで、だから、馬鹿みたいにつまらない作品がこの世に蔓延っていて、僕は苛立つのだろう。

 別に何も、キャラクターを殺せば面白い作品になるとは言っていない。ただ、面白い作品にするために、キャラクターを殺すというのは当然のことであって、それを躊躇(それ自体が本末転倒なので意味がわからないが)するようなことがあるなら、物書きなんてやめてしまえ。本質を理解していない。

 皆が面白いと思うのなら、何をしてもいいんだよ、エンタメというものは。そして、何をしてでも、面白くしなければならない。そんな自由度を持ってすら、面白くするのは難しいのだから。キャラクターを殺したり、残酷な目に合わせて面白くなるなんて、そんな楽なことはない。そんな状況になったら、容赦なんてしている暇はない。そんなことをしているから、駄作になるんだよ。