「岸辺露伴は動かない」の感想

 「岸辺露伴は動かない」のドラマを見た。良く出来ていると思ったが、その程度か、とも思った。

 そもそも、僕は4部が嫌い(いや、そんなこと言ったら、ジョジョが全般的に好きではないのだが)で、岸辺露伴はさらに嫌いなキャラの一人だ。というか、キャラとして成立していると考えていない。場面場面での言動が異なり過ぎて、同一人物として認識できない。しかし、ドラマの岸辺露伴は好きだ。

 キャラクターが安定しているし、漫画的なキャラクターをリアリティレベルが高めの作品で成立させられるようなキャラ立てをしている。健全だし、成立している。その点はとても良かったと思う。

 何より悪い点は、話がワンアイデアすぎる、ということ。正直、あれだけの尺を持たすだけの内容になっていない。まだ半分だったら、成立していただろうが。マナーで賞罰が発生するとか、本当の禁止用語があるとか、そんな短編集にも満たないようなアイデアで、特に面白いオチがついているわけでもない。アイデアがそのまま上映されて終わりだ。これでは、全く面白みがない。だから、面白みがキャラクター性によってしまうのだけれど、それは見慣れてしまうので、だんだんとつまらなくなる。1話は漫画を現実に落とし込んでいる流れや、実写としてのキャラクターやスタンドの表現で面白いと感じられたが、だんだんと興味が薄れてしまって、つまらなくなってしまった。

 というか、書いていて思ったのだけれど、これはジョジョの、荒木作品の特徴であって、完全に荒木が悪い。彼は、ただそう思ったというだけの話を、何の変転もなく、だらだらと続けるから、面白い話にならないんだ。この作品でもそれが受け継がれてしまっている。どうして、それが面白くないと気付かないのか。周りにも原因があるのではないかと思ってしまうよ。彼自身が、もっと岸辺露伴のようになってくれればいいのに。