アイデアよりも実装

 ツイッターを見ていたら、異世界転生+RTAみたいな漫画が出てきて、ついに出てきたのか、と思った。そのアイデアは、僕も思い付いていたのだけれど、面白い話にできる自身がないなーと考えていたが、ツイッターのそれはまだ4枚の画像だけではあるとはいえ、めちゃくちゃ面白そうだった。僕が考えていても、こういう実装にはならなかっただろう。たぶん、かなり多くの人がこのアイデアを思いついていて、僕は知らないが先に書いている人もいるかもしれない。でも、結局、肝心なのは実装なんだよな。

 「明日、僕は死ぬ。キミは生き返る。」を読んだ時も思った。全く同じネタ、つまり、人生の半分を犠牲にすると、人が生き返るという取引をした結果、自分の体に2つの意識が宿り、1日置きに交互に生活をするようになる、というのは思いついていたのだけれど、重い話になってしまうし、上手い構造が思いつかないなーと思っていたら、世の中に出たそれはとても良く出来ていた。

 逆に実装が悪くて、微妙になってしまう作品はあるけれど、それらは結局、淘汰されて残らない。

 

 結局、実装が肝心なのだと思う。アイデアというのは、結構ありふれていて、とても素晴らしいアイデアというのもあるのだけれど、基本的にはそれほどでもない(僕のような素人でも思い浮かぶもの)が多い。それを実践するか、実践しないかだ、という人もいるけれど、僕はどちらかというと、実践したか否か、よりも、実装が上手いか否か、だと思う。ちょっとしたアイデアをそのまま作品にしたような、箸にも棒にも掛からぬ作品は山のようにある。何かの要素×何かの要素というのがそのままタイトルになったような作品とか。でも、そうやって、実践しただけの作品はいまいちなことが多い。

 だから、そのありふれたアイデアを上手く実装することに技術がいるし、それこそが、作品を輝かせるものだと思う。だからこそ、アイデアを溜めるより、実装の技術を磨くべきだ。