現実のパロディ

 庵野さんのプロフェッショナルを観た。だいたいの内容は想定されたものだ。前半に創りを凝り過ぎて、後半の時間がなくなると言うような。観ていればわかる内容も多かった。その中で一つ思ったのは、エヴァは現実のパロディも兼ねているんだな、と思った。

 エヴァ私小説という言い方をされることもあるが、創作要素にもかなり重きが置かれているので、ちょっと違うんだなよなーと思っていたのだけれど、現実のパロディというのがしっくりくる。カオルは誰がモデルだとか、マリは誰だろうとか、この時、庵野はどうだったとか、そういう情報を楽しむと、情報量が単純に増えて楽しいというような感じだ。これはまさにパロディというべき文脈で合って、それらを知らなくても一応は楽しめるけれど、現実の対応とかを知っていると、ちょっとくすっとできるという。

 これが健全化な楽しみ方と言われると微妙であって、別に現実をパロディしようと監督が思ってやっているわけではないのだろうが、全身全霊で取り組んでいて、自身の要素がにじみ出てしまうから、そうなっているのだろう。それを楽しむぐらいの観方が一番良いという気がする。