ドーパミンだかセロトニンだかが足りない。あるいは、受容体に問題がある。もしくは、再帰のプロセスに障害が発生している。

 何もかもが面倒くさいくて仕方がない。あらゆることにかかるコストが、リターンと見合っていないという考えに支配される。何もできなくなる。定期的にそうなってしまう。あー、息をするのもめんどーって奴だ。

 僕だって、食事が美味しくて生きている気がしたり、温泉に入って生き返ったり、推しが生きてるから今日も世界が輝いていたり、嫌なことを忘れるためにお酒を飲んだり、気分転換にカラオケに行ったり、大金をギャンブルに突っ込んでワクワクしたかったさ。したかった。そういう人生が良かった。

 くだらねー益体もないどうでもいいことばかり考えて生きていたくはなかった。なんでそういうことばかり楽しいと思うんだ。そんな砂金を集めるために何度も冷たい水に手を突っ込むようなことをして、僅かに得られたものを寄せ集めて、ようやく、これだけの喜びが得られる。何度もガムを噛んで、無味無臭の先にある何かを求めるような、そんなことばかりしている。

 普通になりたいと思えるほど異常でもないし、異常に憧れるほど子供でもない。そんなのはどうでもいい。とにかく楽になりたい。世間体や評判はどうでもいい。とにかく楽になりたい。楽しい人生を送りたい。楽に生き続けさせてくれ。できれば死にたくない。