浅い呼吸

 底が浅いのだろう。自分の中の流行り廃りが激しい。

 たとえば、システムを考えることにハマる。ボードゲームの仕組みのことなどを延々と考えている。プロトタイプを作る、試行する、改善点を炙り出す。そんなことをしているうちに、何が面白いのかわからなくなる。そもそも、生きていくことに面白さが残っているのだろうか。ボードゲームをやっていて、本当に面白いと思ったことなんてあっただろうか。全てが灰色になっていく。しかし、何かをきっかけとして、急にそこだけが色づき始める。中断していた小説だったり、中断していたボードゲームだったり、そういうものが、いや、その時はつまらないと思っていたが、どう考えても面白いじゃないかと思い直す。そして、それについて考え始め、手を付け始める。

 その繰り返しだ。馬鹿みたいだと自分で笑いたくなってくる。延々と完成しないループだ。時流は当然変わってしまい、毎回、今風にリメイクし直す。馬鹿馬鹿しい話だ。しかし、何もしなければ何もしないで死にたくなってしまうので、何かはする。精神の安定のためにそれをやっている。結局、自分のためで、自分が納得するためにやっている。どうして、こんなことになってしまったのか。いつから、この円環にいるのか。思い出せるきっかけがない。昔から僕は今思考している対象をとっかえひっかえして生きている。それこそが、僕の呼吸なのか。