特別

 話題になっているブログを読んだのだけれど、やはり、恐怖を感じてしまった。なんというか、全体的に虚栄心に満ちているのだよね。さんざん言われているように、特別な人に見られたいという気持ちがあるんだと思う。

 けれど、本当にどうして、特別な人として見られたいのだろうか。

 人生で何をしたらいいのか、わからない、という指摘は理解できる。人々は死に、人類は滅び、地球は太陽に呑まれ、宇宙は凍るのだから、何をしても意味がない、という無気力さは人が皆、持っているべきものだ。

 しかし、そこでどうして、自身に何かが必要だと思ってしまうのだろう。そして、それが他者と違う動きをしたり、リスクを負ったりすれば、得られるものだと思うのだろうか。勝者は失敗に学び、敗者は成功に学ぶ。あるいは、賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。成功者の影に追い続けても、何も得られるものはないというのに。

 自分は自分であるだけで、自分にとって特別だと認められないのだろうか。あるいは、それだけでは足りないのか? どうして、足りないのだろう。皆、どうせ死ぬのに。やはり、そこがよくわからない。よくわからないことが幸運なのかもしれない。その時点で、自己肯定感が強いのかもしれない。