未知への恐怖

 オークションの本を読んだ。最後の方にインターネットオークションについて書かれていて、そこでは、オークションがネットと如何に親和性が高いか、そして、現在はオークションでない方が主流になっているという話が出てきた。結局、人々は値段が決まっていて、それを買う行為に慣れているので、変容がしきれなかったというのだ。

 これは、色んなことに言えると思った。本来ならば、オークションという仕組みは、買い手にとっては安く買え、売り手にとっては高く売れる、魔法のような仕組みだ。もちろん、色々と問題や制約はあるが、それを持ってでもしても、皆に利益が得られるように、オークションシステムの設計はされている。

 けれども、書い手としては、どうにもオークションというと高値になってしまう印象がある。そして、慣れていない。結果として、従来の形に戻ってしまった。

 きっと、他のことでも同じようなことが何度も行われている。論理的に考えれば、どうやっても上位互換になるはずのものが、未知に対する恐怖によって、潰れてしまっている。未知に対しては、恐怖ではなく、好奇心で接するようにしたいものだ。そして、最終的には感情ではなく、理論で評価したい。僕はそう願う。