異性を含む正三角関係

 正三角関係が流行っていた時期があったような気がした。

 これは、全て同性の場合と、異性混じりの場合が存在する。前者の場合、話は簡単なので、BLや百合では一般的とも言えるものだ。後者は最近、よく目にするようになったと感じている。

 たとえば、「青のフラッグ」や「青春のアフター」が挙げられる。

 しかし、異性を含む場合、この関係には問題があるように思われる。

 なぜならば、異性間での恋愛よりも、同性間の方が優先される可能性が高いからだ。

 実際に、「青のフラッグ」はそういう最後になっている。これが、現代では一般的なオチだと思われる。なぜならば、たとえば、両者のように、男・男・女の関係で、わざわざ正三角関係にしたのに、男と女が結ばれた場合、どう思うだろうか。

 正三角関係である意味がないし、結局は、異性で結ばれてしまうと思ってしまうのではないだろうか。

 別解としては、「青春のアフター」のポリアモリーが挙げられる。この場合は、正三角関係である意味は存在し得る。しかし、二人組と一人、という形に分かれる場合、同性の組の方が優先されるだろう。

 もっと、文脈としての成熟が進めば、『同性間の愛は、性別を超えているからより強い』とされ、『異性間の愛は、本能的なものでしかなく弱い』とされてしまうことに、逆に苦しむ、というアンチテーゼとしてのテーマや物語が生まれると思うが、今のところは、素直に同性愛の方が優先されるオチが無難であるし、そういう流れが多いだろう。

 どこまでが理性で、どこまでが本能か、という問いはそもそもがナンセンスで、境目はなく、どれもが人間を構成する精神活動の一部だ。しかし、理性と本能という区分は波及している概念だし、それを恋愛に紐づけたテーマ設定は、異性愛でも行われている。正三角関係においても、そのうち、発生するものになるかもなぁ、と思った。