負債

 自分でも頭がおかしいと思うぐらい、何かを買い込んでしまう傾向にある。

 なんというか、そのジャンルのエッセンスみたいなものを抽出したいという気持ちになることがあり、そうなると、それを買いあさって遊びあさって、時間も金も費やすということをしてしまう。その時、コストに糸目をつけなくなってしまうのだ。

 たとえば、初めてアニメにハマった時は、寝食と学校、バイト以外の時間は、僅かな休憩時間でさえ、視聴時間に変わっていたし、そのクールに放送していたものは全部観ていたし、過去の名作もその隙間に観ていた。それはラノベになったり、エロゲになったり、映画になったり、同人誌になったり、TRPGになったり、と色々な変遷を経たけれど、本質は変わらない。とにかく、量が必要だという感覚があるのだ。

 こういったものに自身の時間を費やしたいから、自身の時間を奪われるという感覚にシビアなのだと思う。一方で、どうせ死ぬのだ、という感覚や、老いに対する恐怖から高齢で長生きはしない、という理屈から、貯蓄のような、未来に対する投資に対する感覚に鈍感で、ある分だけ使い切ってしまう。

 そろそろ、そういった部分が返ってくる歳になってくるだろう。今まで、未来を犠牲にしてきた分を、返却していく日々が始まろうとしている。最終的に、返却する分の方が上回った時、これ以上、継続する意味がなくなるのだろうな。まあ、ダラダラと長引かせるよりはいいだろう。どうせ、僕たちは死ぬし、僕たちが死んでしまえば、その後には存在しない。最も効率がいいのは、借りが最大限にある状態で死ぬことだ。死んでしまえば、全てが関係ないのだから。