創作のコアである脚本

 1話の出来が良い作品は多い。1話だけなら面白いというドラマや漫画も多い。なぜなら、1話でやることというのは大抵決まっているからだ。

 1話には強いフォーマットがある。それをわざと外す方法も多いが、それすらもある程度パターン化されている。できることは少ないのだ。3部作では、2作目に傑作が生まれることが比較的多いが、これは2作目では1作目の軛から抜け出して、自由度が高くなるからだろう。1番最初にやらなければいけないことは結構多い。

 それなのに、何の意図もなく、つまらないだけの1話を用意している作品があるのだから、驚いてしまう。2話で方向性を間違え、3話で捻りがなく、4話で飽きた、という作品ならばいい。数多存在する凡作と言うだけだ。しかし、1話から退屈させるなどと。どうして、そんなことができるのだろうか。

 やはり、ドラマも漫画も映画も、竜骨は脚本だ。それが良ければ、他が悪くともカバーできる。逆はない。脚本が悪ければ全てが崩壊する。そんなこと、誰もがわかっているでしょう。それなのに、軽視されているように感じる。大した出来でないものが世に溢れすぎている。どうしてだろうと、いつも疑問に思っている。当たり前のことを当たり前にするのは難しいことだというのはわかるが、プロなのだから、それぐらいはクリアしてくれと思う。

 だから、傑作しか観る必要はない。失敗例はありふれている。成功例は限られている。どうして成功しているかを知らなければ。